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2006年06月30日

●>みなさん

ちょっと前のエントリーで、いくつかコメントが来ていました。僕の言いたかったこと、言い足りなかったことをもう1度まとめさせてください。

僕は、
●サッカーファンとそうじゃない人が、一緒にいて両方とも100%いい気分になれる雰囲気なんか作れない
と、今大会であらためて思いました。当たり前だし、今さら何言ってんだと言われればそのとおりなんですが、正直、今までちゃんと気にしたこともありませんでした。で、文章にしようと思った時に考えてたことは、こんな感じでした。

●普段サッカー見てない人がたくさん来てた
●そんな人たちは、日本代表とか、W杯を肉眼で見れたことで満足していたように感じた
●一部のサッカーファンは、そんなW杯は嫌だと感じた
●一部のサッカーファンは、「そんな奴らは来るな」と感じた
●僕もそう感じた
●でも、「既存のサッカーファン以外は来るな」って言って喧嘩してもしょうがないと思った
●これからは、W杯の会場にはきっと、既存のサッカーファンとそうじゃない人が両方いる状態が毎回続くはずだ
●だったらこれから新規のサッカーファンが増えればいいのにと思った
●でも、最近サッカーに興味持ち始めた人は「にわか」って馬鹿にされる
●「にわか」って馬鹿にする人なんかと、自分は同類になりたくない、と思う人がいる
●そしたら、互いに自分を見つめ直してほしい
●僕だって、本当に昔からのコアなファンからしたら、全然「にわか」だ
●僕は、昔からのファンが「にわか」を見下すのも、「にわか」が「にわか」のまま開き直るのも、どっちも好きじゃない
●「にわか」は「にわか」であることを引け目に感じず、サッカー好きになればいい
●馬鹿にした人も、自分だってずっと前には「にわか」だったんだから、彼らを頭から否定しても角がたつだけだから、考え直さないか
●でも、そこまで言っても試合そっちのけで写真撮ったり、サッカー的に盛り上がるべきところで盛り上がってる人を邪魔者扱いするようなら、そんな人はスタンドにいないほうが快適だ

といった感じです。コメントくれた方たちへの個別のレスポンスではないですが、当エントリーであらためてもう1回このことについて書きます。

たとえば、応援してるチームの選手がドンピシャのタイミングで裏に走り込んだ……というシーンになったら、僕は立ち上がって身を乗り出します。そこへスルーパスが通り、彼は(彼女は)相手GKと1対1になって、決定的なシュートを放つ。もうその時点で、ゴールが決まった場合の叫び声とかガッツポーズとかを、無意識のうちにスタンバイしちゃってます。

でも、そのシュートが「うっそー」って感じで枠を外れたりすると、頭抱えて体をよじって、「よっしゃー」と言いかけて「よっっっっあ”〜!?」みたいなヘンな声を出してしまう。膝からカクーンて、気絶する人みたくぶっ倒れることもあります。

90分立ちっぱなしの時だってたくさんあります。本当に本当に重要な試合を迎えた時は、選手入場の時点ですでに感極まっていて、タオルマフラー握りしめたまま「何この人?」ってぐらいに90分ずっと泣いてたこともあります。

そういう時って、精神的にまったくシラフじゃないんだと思います。そんな時の僕は完全に「サッカーを飲んでる」酔っぱらいです。

人によっては、酔っぱらい方もさまざまです。シュートが外れた例の場面では、「次は決めろ」と選手を励ましてる人もいれば、「バカ」「何やってんだ」と怒鳴ってる人もいます。僕だって「ヘタくそ」と怒鳴ったことが何度もあります。30歳すぎて初めてキックのフォームを習った初心者の僕より、選手がヘタなわけがありません。でも、血中サッカー濃度が極端に上がっている試合中の酔っぱらいには、「自分と選手、どっちがサッカー上手か」などという冷静な判断なんかくだせないのです。

でも、スタンドにはそこまで酔っぱらってない人もいます。座ったまま、「ん?」みたいな顔してる人もいるし、アルカイックスマイルのごとき微かなリアクションだけする人もいます。あるいはデジカメの再生画面で、お目当ての選手が撮れたかどうかチェックしてばかりの人もいます。

これは必ず両方いる。花見で酒飲まない人もいる。花見を喩えに、話を続けます。

花見の席で、もし酔っぱらいが「おい、花見なんだから飲め馬鹿野郎」なんて言って無理矢理酒をすすめたら、言われたほうはものすごく嫌な気分になるでしょう。
逆に、「あのーすいません、僕は静かに桜を観賞しに来てるので、隣で酒飲んんで大声出すのやめてもらえますか」とか「そっちの桜の写真撮りたいんで、急に立たないでください」なんて言う人がいたら、今度は飲んでる人が納得いかない。どちらのケースでも、言ったほうも言われたほうも、絶対に気分が悪いはずです。

酒にかんして言えば、僕は、酔っぱらいが嫌いです。なので僕は、花見にはほとんど参加しません。なぜなら花見は、飲んで酔って騒ぎたい人がたくさんいるイベントだから。酔っぱらいに囲まれて小さくなってても楽しくないし、「酔っぱらうのやめてください」とか文句言っても身も蓋もない。というか、昼も夜もそこらじゅうに酔っぱらいがいるぐらいなら、桜の季節なんか、早く終わってしまえと思うぐらいです。桜の花をきれいだとは思うから、遠くから眺めることはありますし、近くで見たかったら、酔っぱらいのいない時に行きます。僕と桜、僕と花見、僕と酒飲みとの「距離感」は、だいたいそんな感じです。

で、僕は、W杯とは、サッカーに酔いたい人が集まる「花見」なのだと思う。「サッカーを飲む」というイベントだ。サッカー飲みが、いつもの飲み会より多少行儀悪く、多少気持ちよくなりすぎても許される場所であってほしいと願う。この場合の「酔う」は、もちろん「サッカー」を飲むから酔っぱらうのであって、「サッカー」不在でただ騒ぐという意図は含みません。

僕はサッカー依存症患者ほどの酔っぱらいだとは言えないだろうけど、僕なんかまだまだ「にわか」だけど、すごい酔っぱらいに囲まれて、どんどんつられておかわりしたい。W杯という花見に初めて参加して、これからもまた楽しみたいと思った人に、一緒に飲め酔えとは、僕は強制しない。ただそのかわり、応援するのも応援を強制されるのも嫌だけど、スタジアムには行きたいという人は、せめて「酔いがさめたらつまんないじゃん」と思ってる彼らや僕らがいることを、知ってほしい。試合そっちのけで「10番の桜」や「5番の桜」の写真を撮って帰る人は、自分が最優先されなくても文句言わないでほしい。ゴール裏で、立ち上がって声援を送るファンに「邪魔だから座れ」なんて言わないでほしい。「花見とかいう行事を、私ものぞいてみようか」ぐらいの気持ちで来た人からしてみたら、会場には、それはもうぎょっとするような酔っぱらいがたくさんいたんだと思いますが、W杯とはそういう花見なんだと、これを機に知ってほしい。「危なっかしい酔っぱらいが多くて、俺の好きな飲み会じゃない」と思うのなら、そういう危なっかしい僕らの花見を壊すのではなく、別の飲み会で楽しいお酒を味わってほしい。

ただ、W杯は全席指定だ。初めてのサッカー観戦だという人に、「この席は前の人が立っても文句言えないよ」というサッカー的な理屈が通じにくい。日本戦以外でも、たとえば「オージー座れよ」と、後ろからドイツ人がしつこく叫んでいたように、立って応援する人を邪魔だと感じる人はどの試合でもいたのだろう。この、全席指定という問題も、既存のサッカーファンとそれ以外の人による、日本人同士での対立の原因の一端と言って間違いない。前のエントリーでは、僕にはこの視点が欠けていた。が、その視点を加えたうえで考えても、やっぱり僕は、僕の応援するチームの試合でゴール裏の席になったら、立って応援したい。自分の席が、立ってる集団の後ろになっちゃったら、こっちも立つしかないよなと思う。たまたま席がゴール裏になっちゃって「えー疲れてんのに立つのー」と思った人には、気の毒だとは思うけど、しょうがないからゴール裏という雰囲気も込み込みで味わおうよ、と言いたいのだ……が、うーん。観戦慣れしてない人にゴール裏席が当たるというW杯は、やっぱりあちこちに不幸を生むのかも。

そして一方、「今はよく分かんないけど、いつか自分もこの雰囲気にのめり込みたいな」と思った人は、「にわか」って馬鹿にされても気にしないで、もっとどんどんサッカー好きになろうよ。誰だって最初は「にわか」だった。僕だって、見る人から見ればいまだに全然「にわか」です。でも、僕もあなたも、これからいっぱいサッカーを好きになれば、必ず「にわか」じゃなくなるんだ。他人に言われる「にわか」は聞き流せばいい。自分が「にわか」って言葉に負けなければいいんだ。

2006年06月29日

●よるかぜ

そういえばブラジルは、日本と戦ったグループリーグ最終戦から2試合続けてドルトムントか。ラクですねー。でもってフルメンバーが顔をそろえたブラジルだけど、フルパワーでは戦ってなかったですねー、この試合。最初の20分、全然走んないんだもん。それでも、要所はきっちりおさえてる。前半終了間際の2点目、たぶん3本連続スルーパスだったと思うんだけど、あの場面なんか、さすがだなって感じ。も、前半だけで完全に勝負を決めちゃったもんな。

一方、ガーナはイライラしすぎ。プレーと関係ないとこでわざと肩とかぶつけてくるし。われどこ見て歩いとんじゃ兄ちゃん。ガーナの選手は歌舞伎町とか来ないほうが身のためだと、筋合いない俺から忠告させていただく。

後半も、ブラジルはやる気なし。深夜のコンビニのバイトぐらいにやる気なし。とどめの3点目を取っちゃった後は、間を持たせるのに苦労してたもんな。ドイツ人の観客は、試合終わるまで見ずにぞろぞろと帰っちゃったよ。しかも「ドイッチェランッ!」とか叫びながら。関係ないよね。柴田恭兵だよね。関係ないね。うるせいやつらだっちゃ。

と思ったけど、早めに帰った人、正解。帰りの電車、臨時便出し過ぎで、線路上で渋滞してる始末なんだもん。朝の東武東上線かっつーの。

と思ったけど、やっぱチンタラ帰ってきた俺が正解。つーか俺、勝者。勝者のメンタリティー。だって、こんなエロいブラジルのおっぱい姉ちゃんに会えたから。うちは布地の面積の少ない女性が大好きだっちゃ。
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試合後、スペイン×フランスをテレビ観戦して、さて帰ろうかと思ったけど、ドルトムントの駅前が、ブラジルの勝利を祝福するサンバカーニバル開催中。またしてもエロい姉ちゃんたちと、腰クイクイしながら日付変わるまで踊ってたよ。今日は1日涼しかったので、汗かいた体に、夜の風が気持ちよかったのだ。さてと、帰ってゆっくり寝よう。明日はノーゲームだ。
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2006年06月28日

●さよならオージー

ドイツに来てから3度目のカイザースラウテルン。駅前には恐竜がいた。
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そしてカイザース市民が再び目にすることになったこいつらも。
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日本に勝っちゃった時は憎たらしくてしかたがなかったけど、でも、見るたびにいつも、ちょっとだけうらやましくなっていったチームだ。3戦目、クロアチアに引き分けた日なんかさ、オージーサポを乗せた地下鉄がシュトゥットガルト中央駅に到着すると、普通に電車待ってる人らがサポ連中を拍手で出迎えてたのよ。セレブレーションよ。客まで凱旋気分よ。この日もカイザースの街は、2度目の来訪となった彼らに対し、「おかえりオージー」みたいな横断幕を出す家まであったぐらい、そこらへんの森からひょっこりカンガルーが飛び出してくるんじゃないかってぐらい、街がオージーたちをセレブレーションしている。
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これよ、日本がもし勝ってたら、「おかえりジャパン」になってたんだろうね。うらやましいー。「いいなー、あんなふうになりたいなー」なんて、思ってしまったよ。もしそんな時、僕のそばにおせっかいな中学生女子でもいたら、たぶんこう言ったはずだ。
「いっつもオージーちゃんの文句ばっかり言ってるクセに、本当は好きなんでしょ?」
わーお。センチメンタルだ。しかもそういう女子はだいたい「あたし知ってんだから」ぐらいに勝手に決めつけるパターンだ。図星だけど。

キックオフ。オーストラリアは3分間もパスをつないだ。でもこの3分間で、オージーはイタリアの強さを存分に感じたんじゃなかろうか。だって、パスは出せても「攻撃」はできないんだもの。パスコースがねえんだもの。ゴール前、チャンスにつながりそうなパスを出したいんだけど、その道筋を全部、イタリア人が警備している。いちばんエグいのはガットゥーゾだ。映画に出てくる大統領のボディガードみたいに、も、絶対ゴールに近づけさせない。したがってオージーの「パスアタック」は「ただのパス回し」にしかならない。テンポはいいけど足踏みしてるような、中学校の頃にやらされた運動会の行進の練習みたいだ。

エースとして活躍してきたキューウェルの不在も、オージーにはキツかった。代わりに左のアタッカーに入ったのは、本来右にいるブレッシャーノだったんだけど、これがまたイタリアの右サイドのザンブロッタにことごとく止められてしまう。見てないんだけど、パルマVSユベントスの時も、この2人の力関係はこんな調子なんだろうか。

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とにかくだ、ヒディンク・マジックとか言うけどさ、打つ手なしっつーか、いろいろやろうとすんだけど「しかしじゅもんはふうじこめられている」みたいな感じ。ガットゥーゾとザンブロッタに、あとこの日MOMに選ばれたGKのブッフォンは、試合中あれ、「マホトーン」とか言ってたかもしんない、まじで。

そんなこんなで、今日はオージー点取れなさそうって感じだから、イタリアが点取ったら試合はもうおしまいぐらいの雰囲気になってきた。オージーはもちこたえたよ。95分まで、余命を存分に生きた。立派な最期だったんじゃないか。

ラストワンプレー。PKの笛が、オージーへのさよならを告げた。ドラマだったらこっから回想シーンをスローモーションで流すとこだ。『東京タワー』だったらリリーさんの自筆のイラストが挿入されるページだ。回想から現実へ戻った瞬間、会場の大型スクリーンには、仇役さえセクシーに演じてしまう色男トッティの、片頬を上げてニヤッと笑う不敵な表情が映し出されていた。
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2006年06月26日

●オランダの仕掛けた罠

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昨日、アルゼンチン×メキシコ戦の帰りの電車で、ぷにぷにと柔らかそうなメキシコのボニータ2人組に、しこたまテキーラを飲まされたのち、旧東ドイツの田舎町の安宿へ戻ると、「さっきのは夢だったのかもな。それでもいいや、素敵な夢だったから」みたいな、バラエティー番組がお笑い芸人に歌わせるしょうもないCDの歌詞みたいなことを考えていた。いかん。疲れが重症だ。で、ちょっと目を閉じたらすぐに次の日。次の試合が待っている。サッカーを追いかけて街から街へ。俺はハウスこども劇場のテンプルちゃんか。

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今日はニュルンベルクでポルトガル×オランダ。欧州同士のノックアウト戦は、東ドイツの宿を照らす白熱灯以上に白熱した。シュート10本、支配率30%台のポルトガルが、シュート20本、支配率60%台のオランダに、1−0で勝っちまったよ。

オランダは、オーバーヘッドがバーを叩いたりしてチャンスを得点に結びつけられずに終盤を迎えてた。ここで、オランダはある仕掛けを張った。それは、ちょっとダーティーに嫌がらせをして相手の平常心を奪うと言う、よく言えば宮本武蔵みたいな、悪く言えばワイドショーの取材方法みたいな心理トラップだった。
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写真は本文と関係ないが、要は、相手を怒らせんのよ、わざと。返してあげるべきボールを、返さないで攻めてくとか。72分ぐらいだったかな。あれでピッチもベンチも客席も、ポルトガル側は相当怒りまくってたでしょ。「なんてことするんだ!」なんつって。ヒーローアニメで主人公そっくりのニセモノが街で悪さをしはじめたときの脇役のリアクションみたいな反応だ。で、そのアンフェアなプレーを、報復の意志を込めたファウルで止めたデコが、イエローカード。オランダの作戦、第一段階がこれで成功。次は標的をデコに定めた。

でよ、数分後の接触プレーでよ、ファウル(ハンドか?)を取られたデコがよ、ボールを手でつかみあげるとよ、オランダの選手たちはデコに体当たりをかまして、彼の手からボールをもぎ取ろうとしたのよ。前のプレーでデコはおデコに血がのぼってっから、この挑発に引っかかってしまうのよ。「何するばい!」。九州人顔の彼のことだ。そのようなことを心の中で叫んでいたのだろう。うざいオランダ人の手をね、少々ラフに振りほどこうとしたのよ。ものの5分で2枚のイエロー。オランダの罠が、デコをピッチから消し去ってしまった。

うーむ。それでも結局オランダは最後まで攻めきれず、特別なインパクトも残せないままベスト16で大会を去ることになった。あとどうでもいいのだが、今日の俺の席、ゴールラインとカメラマンが重なって、シュートが入ったんだかどうだか見えなかった。ま、前後半ともに、こっちサイドは1本も入んなかったんだけど。がくーん。
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2006年06月25日

●アミーゴVSアミーゴ

決勝トーナメント1回戦。早速初日から好カード、メキシコ×アルゼンチンを観戦して来たのだよ。この俺の個人ブログの場を提供してくれているサブラ編集部は、俺に「世界のサッカーファンにお土産を」と、サブラの帽子を持たせてくれた。サブラのマスコットってサボテンじゃん。なので、緑色のサブラ帽子を、メキシコ人にプレぜントした。編集長、メキシコサポは喜んで被ってくれたよ。だいじょぶだあー。
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試合開始前の国歌斉唱。メキシコの選手ってポーズがユニークだあねえ。「アイーン」みたい。サポも両軍、気合い入ってる。スタンドは水色と緑のまだら模様。隣り合う者同士で応援合戦を繰り広げてるもんね。
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さて、キックオフだ。もうね、素晴らしいサッカーだよ、お互いに。序盤のメキシコは攻撃時、トップのボルヘッティと両ワイドが最前線に張り出す布陣。ボルヘッティの周りをフォンセカが動き回って、相手DFラインの穴をうかがっていた。
そして中盤は、「日本もお手本にしよう」と言われる中盤は、単純なパス&ムーブではなく、パス出す前に、フェイクなり細かいドリブルなり、なんか1アクション入れている。そしてパスを出したらムーブ。タイミングがあえばそこでワンツー。「ムーブ&パス&ムーブ」。これがメキシコのパスアタックだ。

一方のアルゼンチンは、リケルメの評価が高いけど、ちょろはげカンビアッソも負けてない。パスもらう前に必ず逆サイド見といて、大きく横に展開する。相手を広げて、中に寄せてまた広げる。理想的な散らし屋だ。

延長前半、メキシコが力尽きた。アルゼンチンは左から右へ、一発のサイドチェンジを成功させた時点で、勝負ありって感じだったっすね。メキシコは、デカくないから中盤でボールを奪いたい。ゴール前で耐えるとかはじき返すとかのことを「守る」って言うんじゃなくて、この国では中盤で「奪う」ことが「守る」こと。なので中盤では、ボールのあるほうのサイドに人を多く寄せている。一発のサイドチェンジで守備の薄いほうへ展開されてしまうのは、命取りなのだ。

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といった感じで、決勝トーナメント初日から、好ゲームを延長まで見れて実にラッキーだ。今日から準決勝まで、試合のある日は毎日観戦できそう。素晴らしいサッカーを堪能してきます!(ごきげん!)

●サッカーを好きになるのと、W杯を見るのと、どっちが先でもいいんじゃない

惨敗。一丸となれない選手たち。応援に熱が感じられないスタンド。

そんな雰囲気の中で、「サッカー好きじゃねえ奴は、見に行くな」とか「ドイツ行かねえんなら、最初からチケットに手を出すな」みたいに、今回、観光目的でW杯を見に来てた観客や、チケット争奪戦にのみ情熱を傾けた人たちが、やつ当たり気味に批判浴びてるだろうことは、なんとなく想像がつく。

でも、「サッカーが好きだ」っていう理由なんか、最初は誰にもないのだよ。「おめえサッカー好きじゃねえだろ」みたいなこと言う人だって、どっかのタイミングでサッカーを好きになったんだろうし、そしたら「好きになる前」ってのもあるはずだ。

「サッカーなんか見たことないけど、W杯を見たかった」という気持ちを、頭から否定してもしゃあないよ。そういう人ばかりのスタンドはなんだか国体を見てるような雰囲気で、実にうすら寒くて悲しいけど、でも、「初めてサッカー見るんです」って人は、今後も、W杯のたびに相当数いるはずだ。もう、そういうものとして、W杯とつきあってくしかないんじゃなかろうか。

そん代わり、サッカーファンに対する「わかった顔すんなよ」みたいな「W杯観光客」の反応も、見ていて全然気分がよくない。W杯はサッカーの大会なのだから、サッカーファンが存分に楽しんで当然なのだよ。サッカーのこともサッカーファンのことも理解せずにドイツ来ちゃった人は、自分には遠慮が必要だということを、おおいに学んでいただきたい。特にオッサンがいちばんタチ悪い。偉そうな金持ちぶった人じゃなくて、普通のサラリーマン風情のオッサンどもだよ。あいつら、会社から一歩でも出てしまうと、自分と他人の関係を理解できないんだろうね、きっと。この場では誰がリーダーなのかとか、誰が雰囲気をよくしてくれるのかとか、全然見えてない。任せるとか、譲るとか、邪魔をしないとか、普段遊んでない連中には、遊びの場で自然とそういう雰囲気が作られてるということを、おそらく知りようがないんだろう。

で、何だっけ。サッカーを好きかどうかか。そんなの、まず見るのが先で、好きになるのはそれから。で、好きになった理由なんかは、もっと後に言葉になる。ってのが普通じゃないか。人の心は、だいたいそういうふうに動いてくもんだ。誰かを好きになるのだって、まず気になっちゃうのが先で、そっから好きになって、どうして好きかなんて理由はあとからついてくるものだ。就職活動だってそう。この会社に入りたいなっていう気持ちが先で、志望動機なんて後から考えてひねり出すものだ。

なので、今、ひょっとしたらやり玉に挙げられちゃったり気まずく思ってるかもしれない「にわか」のみなさん。別に「来ちゃったこと」を反省しなくていいと思います。ただ、これを機会に、また来たいなあと思ったのなら、今度はサッカーを好きになってほしい。サッカーを見るために、W杯以外のスタジアムにも足を運ぶとか、テレビでのサッカー中継(芸能的なニュースじゃなくて、あくまでもサッカーのね)を気にするとか、自分でサッカーやるのだっていいと思う。サッカーは4年に1回やる競技じゃないんだ。Jリーグ毎週やってるよ。女子だって毎週、なでしこリーグやってるよ。7月後半には女子W杯アジア予選もある。衛星放送で欧州サッカーも見れる。W杯で感じた「サッカー」を、これから好きになってほしい。

しかし「W杯は最高だ。でもサッカーなんてどうでもいい」と感じてる人は、もう、二度と来ないでほしい。一度「見た」ってカウントされたんだから、それでもう満足してくれ。スタジアムで、チケット手に持って写真が撮れたんだから、十分だろ。

オシムが代表監督に就任するかもしれない。彼は、「サッカー」そのもののためにチームを指導するだろう。サッカーファンとそれ以外の人の反応のギャップが、今よりもっともっと激しくなる気がする。もういっそのこと、サッカーファンしかついて来れないぐらいの日本代表を、彼が作る。そうなった時の世の中ってものも、見てみたい気がする。

2006年06月24日

●ヒディンクのアリバイトリック

クロサギ、ルパン、キャッツアイ。敵をだましてまんまと宝を奪い取るヒーローの物語は、いつだって見ていて痛快だ。サッカー界においても、そんな主人公にドンピシャ当てはまる人物がいたのだよ。オーストラリア代表監督フース・ヒディンクだ。

グループF最終戦、俺は日本×ブラジル戦を完全にパスして、裏カードのクロアチア×オーストラリアを見に行ってたんだけど、オージー、2回リードされて2回とも追いついて、2位通過しちゃったよ。まじで。ヒディンク率いるオージーの面白さは、俺のサッカー教室のコーチであるヒロが解説しているとおり、いわゆる「バイタルエリア」に人を置かないという作戦にある。
http://blog.seesaa.jp/tb/19223740

バイタルエリアに人がいない。そういう状態をわざと作っておくという作戦は、いわばピッチ内でのアリバイ工作なのな。「僕はサイドに開いてました」「俺は中盤の低い位置が持ち場だ」と、攻撃に加わる選手、相手からしたら当然マークをつけときたい選手が、みんなして「自分のポジションはゴール前中央じゃない」と主張すんだよな。犯行現場に犯人がなかなか現れない。銭形警部は気が気じゃない。そうやって、いちばんおいしいところをぽっかり空けておいて、つまり相手の警戒を薄くさせておいて、いざその時が来ればまんまとその場所にフリーで忍び込み、ゴール前で決定的なチャンスを作り出す。それがヒディンクの、アリバイトリックを利用した完全犯罪だ。

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この日のクロアチア戦、バイタルエリアで完全にフリーになる機会は日本戦ほど多くなかったけど、オージーの選手はポジションチェンジを繰り返し、相手守備陣を慌てさせてたよ。「あれ、今日こいつのポジションどこ? マークすんの俺でいいのか?」みたいに。ボールがハーフラインを超えるたび、トップのビドゥカ以外は、前線の選手が2回として同じ位置にはいなかったぐらいだ。キューウェルがすごい引いて低い位置でボール触ってたりして、クロアチアとしても捕まえどころがよく定まんなかったんだろう。そんな感じで、クロアチアは前のほうで相手を潰せなくなって、ゴール前で跳ね返す守備が多くなった。ミドルシュートに対して寄せが甘くなったのも、守備のラインが引かざるを得なかったせいだろう。

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終盤の決勝点っていうか同点ゴールは、高さで守りきろうとしたクロアチアに、高さで渡り合えるケネディーを送り込んだことで生まれた。ギリッギリ数センチって感じだもんな。相手の裏をかく作戦と、相手の武器に真っ向立ち向かえる秘密兵器。なんかこのチーム、漫画みたいだな。キャラ立ちサッカー軍団。決勝トーナメントも、オージー見に行こうかな。ヒディンクはゴールだけじゃなく、俺の心も盗んでいったよ。やっぱり書いてしまった。カリオストロの城だ。

あ、そうだこいつら、今年からアジア連盟だった。2戦目のブラジル戦、スタンドにはこんな幕掲げてたっけ。
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こういうことされた挙げ句、日本を差し置いて決勝トーナメント行かれると、なんかすごい悔しい。しょぼーん。

2006年06月22日

●シェリー

20日、俺は何してたっけ。そうだ、ボンに行っていたのだ。前の日は国境を越えてオランダへ行き、植田朝日氏をインタビューしてきた。なんだか移動の連続に加え、このブログ以外の取材・執筆を抱えていたので、もう、日付の境目がどこにあんのか分かんなくなってきている。

そういえば数年前、年間の半分は小学館で寝起きしてフラフラになりながら仕事をしていた頃、「1日は24時間って思うのやめよう」と試みたことがある。その頃の俺は、1日を28時間だと思うことにした。22時間起きて6時間寝る。これなら体ももちそうだと。で、1日が人より4時間長いという計算だから、超過したぶんは6日で24時間になる。つまり、俺は1週間イコール6日と思い込むことによって、1日28時間制度を人知れず確立することができると。それはそれは、もう自信満々でしたよ。「1日28時間という考え方を発明した人」としてノーベル賞取れるかもぐらい思ったよ。でも、だめだったよ。22時間起きて6時間寝てたら、絶対に昼間起きれない日が来るから。取材や締め切りをすっぽかすわけにはいかず、普通に寄る寝て朝起きる生活をしてしまった。俺のノーベル賞は幻に終わったのだ。

20日の話だった。ボンでラジオ局の人と食事して、クロアチア戦の時のドイツのテレビ放送について裏話を聞いた。リティーが宮本のこと、半笑いで解説してたとは俺も書いたけど、実はその解説中、どうやらリティーはこんなことを言っていたらしい。
「ジーコ監督は、このミヤモトって選手をレギュラーから外すということを考えられないのか」だと。あんの色白め。まだそんなこと言うか、半笑いで。

ところで、ボンといえば日本代表の練習場。これがなんだか雰囲気が悪いらしい。毎日練習を見学してるコアなサポーターからそう聞いた。ヒデとその他の選手の間に、なんだか壁があるんだと。で、巻とかひとりぼっちなんだと。バラバラだと。よくないねー。いちばん危機感を感じてるっぽいヒデは、今何を考えているんだろうか。
「俺はまだまだ恨まれているか」
「俺に愛される資格はあるか」
「俺の笑顔は卑屈じゃないかい」
「俺は真実へと歩いてるかい」
ぐらいは自問自答してもいいんじゃないだろうか。ひとりで答えが出せないなら、俺がシェリーって女紹介してやるから、そいつに問いかけてみ。

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ヒデもね、「FOOTBALL FASHION」とか言って、こうやって外国の雑誌に出るのもいいんだが、日本代表における存在感も偉大すぎてみんなが近づきがたいんじゃないのかな。周りの選手はね、ヒデをどうにか笑わせる方法。それをね、そろそろ考えて実行しないと。このままバラバラで終わったら、W杯の楽しい思い出なくなっちゃうじゃんよ。ね。ヒデと一緒にできるイタズラを考えてみたので、選手のみなさん、ぜひ参考にしてくれ。

●見学してるマスコミとファンの中から、カツラの人を探して言い当てる。
●デパートの福袋を全部開けて逃げる。
●エロ雑誌の袋とじを全部開けて逃げる。
●『月刊上戸彩』って書いた、ニセの雑誌をヒデの部屋に置いておく。
●でも中身はジンガイのチャンバー(外人のばあちゃん)のヌード写真集。
●ヒデの服を隠して、代わりにミキハウスの服ばかり置いておく。
●フジテレビの人に、「ヒデさんにも今度の正月、古畑出ていただくことになりましたから」とこっそり耳打ちしてもらう。
●全員高原の髪型にする。
●三都主の髪に、目の錯覚で棒が長く見えたり短く見えたりする絵を描く。
●マッチ棒を2本だけ動かして、魚の向いてる方向を変える。
●小野と小笠原と坪井の坊主3人が全身を金色に塗って、ワールドカップのトロフィーの真似をし、それをヒデに掲げてもらって写真を撮る。
●桜の枝を折ったことを、正直に謝る。
●ヒデの部屋にヤクザが乱入してきて、後からドッキリだとばらす。
●桜木花道がヒデにカンチョーする。
●魚住が大根を桂剥きしながらピッチに乱入する。

以上。20日の日記でした。21日の日記は、ドイツ時間の22日に書きます。もうだって、締め切り抱えてテンパッてんだもん。

2006年06月20日

●ドイツとの親善試合

6/17、ドイツと試合しました。こっちは都内で活動する『大人のためのサッカー教室』チーム。サッカー経験ゼロからスタートしたド素人の大人たちが、スーツケースにスパイクを入れて、ドイツへ乗り込んできたのだ。

大人になってからサッカーやってみたいと思った人、結構いると思うんですよ。でもそういう場合、基礎とか全然分からないと、友達に「サッカーやろうぜ」とか誘われても、試合で足引っ張っちゃう。イチからサッカーを習いたい。そう思った人たちが集まって、プロのコーチに指導してもらっているのが、この『大人のためのサッカー教室』なわけよ。

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もちろん俺もそんな教室メンバーのひとり。4年前から通い始めたんだけど、この教室のいいところは、入会金も月謝もいらないってとこ(月謝制コースもあるが、それはまた別カテゴリー)。教室は都内でほぼ毎日活動してる。会員登録(無料)をすませれば、行きたい時にネットで受講希望のエントリーして行けばいい。そういう感じだ。

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対戦相手は、ケルンに留学してる日本人大学生と現地ドイツ人による「日独スポーツ協会」のチーム“スシボーイズ&テレコムポストDJSG”。さすがに初心者の俺らなんかより全然サッカーうまいよ、当たり前だけど。W杯本番のスタジアムよりも一回り広いこのピッチで、若くて体力とテクニックのある日本人が大きくボールを動かし、俺らを振り回す。ゴール前にはデカいドイツ人がガンガン突っ込んできて、ボッコボコにシュートを浴びせる。1対1で勝ててたのは、コーチのヒロ(小林弘典)ぐらいかな。
この試合の模様は『スポーツヤア!』に掲載される予定です。お楽しみに。
それともちろん、『大人のためのサッカー教室』は、男女問わず新メンバー大募集中です。好きなチームのいユニフォームを着てさ、一緒にボール蹴ろうぜ!
http://otonano.biz/

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あとね、あと、俺の初出演作品となった映画『CROSS CHORD』(クロスコード)の公開日程が正式に決まりましたよ。7/22から8/4、青山にある『RelaX AOYAMA』にて。俺は内装工事の作業員役だ。1月の夜中の撮影だったんだけど、役柄上、つなぎの作業ズボンを腰で巻いて、上はタンクトップ1枚。寒かった。一瞬しか映ってないけど、ちゃんとセリフも喋ってる。ほんと一瞬なので、見逃さないで!
RelaX AOYAMA
http://www.enjoytokyo.jp/OD003Detail.html?SPOT_ID=c_1001786#top

●馬鹿は同じことを繰り返す

今日は日本×クロアチア戦だが、チケットがないのだよ。すでにブラジル×オーストラリアを持ってたことだし、あまりにクレイジーな価格のチケットには手を出さないと心に決めているので、日本戦はテレビで我慢だ。

ドイツのテレビ局では、日本戦、リトバルスキー氏が解説してたよ。俺は大学で6年間もドイツ語習ってた(つまり毎年落第)のだが、知ってる単語は「グーテンモルゲン」「ダンケシェーン」「コピーレン」がせいぜい。最後の「コピーレン」は「コピーする」っつう意味で、大学時代、まじめに授業に出てたクラスメイトのノートをコピーしてもらう時にみんなで言ってたから覚えた。「ノート取ってる? 貸してもらっていいすか? マジ? オッケー、おい小田中、花崎、蒲生、仙石、手に入ったぞこれコピーレン!コピーレン!」「江橋おまえよく後輩に土下座する勇気あんな。でかしたこれコピーレン!コピーレン!」てな具合でだ。で結局テスト前に覚えた単語は「コピーレン」だけ。馬鹿はひとつのことしか覚えられないのだ。しかも6年間ちっとも変わらなかった。んでよ、そのリティーがよ、ドイツ語さっぱり分からん俺にもビッキビキに伝わるようなことを言っていた。聞き取れた言葉を拾い上げると「ミヤモト」「170何センチ」「ショート」。ショートはたぶん、英語のshortに近いドイツ語なんだろうと思うが、つまり背が低いってことを言ってんだろ。そういうことを半笑いで言うのだよ、あの色白めが。なんでそんなセンターバック使うんだ、みたいなニュアンスなんだろうか。だからその半笑いはやめろって。

試合内容は、俺ではなくこの人に振り返ってもらいたい。神保町フットボール協会の親分だ。

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「どうも親分ですが。この一戦だけを見れば、まあ上出来なんちゃうかな。中の上ぐらいや。亀梨ではないがKAT-TUNには入れるぐらいの出来にはなっとんねん。初戦に負けてメンバーいじって、そこそこなんとか上手くいくっちゅう、まあジーコジャパンらしい戦いやな。今日は選手の交代も早め早めやったやろ。それが普通やねん。こっちは実力的に劣勢や。そしたらピッチ上の状況を見極めて、どこが戦えてどこが戦えてへんのか見たらええねん。先手を打って撹乱して、そんでやっと五分五分やねん。本番で、初戦負けてから気づいてどうすんねん。遅いちゅうねん。何年監督やってんねん。ヒディンク見てみい。あ、言っちゃった。やっぱり、3年前と去年にあったコンフェデと一緒で、トーナメントには上がれんわ。あと1歩のところで勝ちきれへんねん。『あそこで勝っておけば』『あそこで点が取れてれば』『そもそもなんで最初からそれでけへんのや』そうゆうて後から分析してもしゃあないねん。え? どうやったら点が入るかって? シュートを打てっちゅうねん! シュートなんかは、ピョッといってグッてなって、最後はチョンでええんじゃ!」

以上、親分の怒りでした。

で、俺はというとブラジル×オーストラリアを観戦。ゴール裏、オージーサポのド真ん中に入り込んでしまったのだが、この連中ったら口が汚い。歌を歌ってる時と選手名のコール以外には、ほぼまんべんなく「ファック」が入ってる。この日の「ファック」の対象はおもに審判と、反対側のゴール裏で炊かれるフラッシュだった。「どこ見てんだファック!」とか「パチパチすんなよよく見えねえだろファック!」とか。終盤、80分を過ぎたあたりからすごい盛り上がってきた。今度はみんな口々に「It's the time」とか言っている。日本人の耳には痛い言葉だ。何度か決定機も作り、俄然こいつらのテンションが上がってきたところで、今度は相次ぐ自軍へのファウルの判定。苛立った連中は椅子を思いっきり叩いてた。スタジアムの椅子って、座面がペタンつって跳ね上がるじゃん。あそこを思いっきり叩くのよ。で、叩いてもまた跳ね上がってくるじゃん。そしたらまた叩く。繰り返し繰り返し叩く。馬鹿だよなー。
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試合後、選手の健闘を讃える拍手に混じって、ひとりだけ拍手とはちょっと違うポーズを取ってる人がいた。審判に向かって、中指がガッチリ立っていたのであった。
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でよ、まだあんのよ今日は。試合後、ミュンヘンの会場になぜか韓国のテレビ局が来てたのな。たぶん英雄ヒディンクの、神話の続きとかをリポートしたいんだと思うんだ。でもな、ここにいたオージーとブラジル人はな、とっことんこのテレビ局をからかってしまったのだよ。
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アナウンサーが立ち位置決める。カメラが回る。喋り出す。すると、遠巻きに見ていたはずのサポーターたちの中から叫び声が上がる。「アクション!」。その声を合図に、サポーターたちがアナウンサーを取り囲んで大騒ぎし、レポートを台無しにしてしまうのだ。これでは仕事にならない、とばかりに韓国テレビは場所を変える。サポーターは「だるまさんがころんだ」のように、ちょっとずつちょっとずつ彼らに近づいていく。立ち位置決まる。カメラ回る。誰かが叫ぶ。アクション! 大騒ぎ。大爆笑。また場所変える。立ち位置決まる。カメラ回る。アクション! 暮れなずむミュンヘンの光と陰の中、馬鹿は何度も同じことを繰り返していた。

2006年06月18日

●悪魔が来たりて笛を吹く

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ずっと気になっていたんだが、会場内で流れるYAHOOのCMはひどい。サウスパークみたいなチープなアニメで、一つ目のサタンが、ピッチ上の選手をひとりひとり拾い上げて食うという、そして骨を吐き出すという、なんのシャレだかさっぱり分からん悪趣味なCMなわけよ。で、今日のイタリア×USAの会場でも、当然流れてたんだが、なんか今日はそれだけじゃなかったよ。ピッチに本物のサタンがいたのだ。

クソ審判だ。

前半だけで選手2人を食い、後半開始そうそうにはもうひとり食った。こんなことされたら普通泣くよね。涙そうそうだよね。組み合わせが決まった瞬間から、グループリーグで俺が一番見たいと思ったカードだもん、絶対11人対11人で見たいじゃん。しかもよ、あのUSAのセットアタック、後半残り10分ぐらいでやってきたけどさ、ペナ付近に5〜6人入ってきて、スピーディーに人が動き、スピーディーにボールが動き、相手ディフェンスに穴が空いたらひと突きにグッサリとやるあの攻撃を見に来たってのに。実際、ビーズリーの逆転ゴールが一体何のファウル? リプレイも場内では一切流さないし。せっかくの好ゲームが、サタンのせいで台無しになっちまったよ。バカ審判め。おまえなんかイジメてやる。春は毛虫をおまえの背中に入れてやる。クラス替えした初日に、クラス全員に好きな人ばらしてやる。夏になれば、おまえの部屋で打ち上げ花火をやってやる。そして横から見たり下から見たりしてやる。秋が来たら、落ち葉でおまえのティンコをくるりんっと巻いてやる。冬の訪れとともにおまえを羽交い締めにして、熱いおでんを口におっ付けてやる。肉まんについてる紙を、読みかけの本に挟んでやる。クリスマスの鶏食ってベタベタになった手を、おまえの服で拭いてやる。そうやって、四季折々のイジメを繰り出してやる。おまえが俺にイジメられてる姿を街行く人が目にするたびに「あら、もうそんな季節になったのね」って思わせてやる。風物詩にしてやるからな。KAKUGOしろよクソ審判。

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でも、そんなクソ審判のせいで、意外な発見もあったのだから、心中複雑だ。USAのサッカーは、フィールド8人でやってもかなり面白いのな。デカいフットサル。アリだよな。たださ、しょうもないほど自分大好き国家アメリカのことだから、わざわざそういう競技作るかもしれん。「ファックな審判のおかげで、我が合衆国の正義と栄光が台無しだ。星条旗が汚されている。もうW杯なんか知んない。開拓精神あふれる我々が新しい組織作って、そっちで世界一になってやるもんね。9人制サッカーの世界一を決める“WSC”ワールドサッカークラシックの開催だ!」。あーあ、もしそんなことになったら、俺そっちも見に行こうかな。そしてブログに書くよ。

アメリカ人の審判はクソだ、と。

●飲み会日本代表

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オランダ×コートジボワール。シュトゥットガルトのスタジアムには日本人いっぱいいたよー。(写真の子は違う会場で会った子だけど)。このカードは結構ヤフオクとかでも人気あったらしいし、オランダ見たいとかドログバ見たいとか、観光がてら。でもよ、今日でC組の通過チームがあっさり決まっちまったのでよ、ちょっと拍子抜けだよ。コートジの両サイドは、ファンペルシとロッベンに1対1でやられすぎだって。俺の通う『大人のためのサッカー教室』のコーチは「第1戦とコンセプトをガラッとかえて、守備的に戦ったのが敗因。後半30分からのサッカーが、本当のコートジボワールだったのに」と残念そうに語ってた。グループリーグだけで帰国させるには、なんだかもったいないチームだけど、しゃあない。を観戦するため、シュトゥットガルトへやってきた。

が、大問題だ。疲れがたまってるのと、毎日サッカー見てる「慣れ」から、試合中に眠くなるのだ。正直、W杯のありがたみみたいのも麻痺してきてるし。開幕戦見てからまだ10日も経ってないはずなのに、なんだか遠い昔って感じだもん。それでも幸い、朝7時にはバチッと目が覚めて今日のスタジアムに向かうことはできるのだが、気を抜くと寝過ごしたり、もっと気を抜くと「面倒くさい」ぐらい言い出しそうで、自分が怖い。こうなったら、まぶたにバンテリンを塗ってでも、持ちこたえなければならない。

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ところで、今週末はまた日本戦がやってくる。俺が日本代表で期待しているのは誰かというと、稲本だ。ただ、ジーコジャパンって、最初のジャマイカ戦からずっと、稲本が輝けるチームであったことが一度もない。

稲本については、2005年1月頃『エルゴラッソ』で書いた。だいたいこんな文章だった。「だいたい」ってのは、実際に掲載された時のやつを少し手直ししてるからだ。稲本のキャラが伝われば幸いだ。

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『飲み会日本代表』
 ジーコジャパン体勢となって以来、日本代表という「飲み会」がいまいち盛り上がりを欠くのは、稲本が気持ちよく酔っぱらってないからではないだろうか。彼は、自らグイグイ飲んで騒ぐことで飲み会全体を盛り上げる、というキャラのはずだ。先につぶれても気にしない、帰りに記憶なんかなくたって構わない、ちょっとぐらいの汚れ物ならば残さずに全部食べてやる、ぐらいに飛ばしてくれたほうが、みんなも楽しく飲めるんじゃないだろうか。
 ところが、ジーコジャパンにおける彼は「幹事」あるいは「後輩」。つまり気配りの人という役割を背負わされているのである。東に酒の切れた人あれば、いってグラスに注いでやり、みたいな。そうじゃないだろうに。「ソウイフモノニ、私ハナリタイ」とは、稲本本人も思ってないだろう。飲み会がハジケないのはきっとそのせいだ。稲本よ、2002年のあの頃のように、「乾杯」の瞬間からガンガン飛ばしてくれまいか。会計は福西が立て替えるし、帰りは遠藤が運転してくれる。そして、「ソウイフモノ」は、中澤がやる。
 中澤。今やこの人が飲み会にいるといないとでは大違いだ。「やっべー、今日の飲み会中田さん来てんじゃん」みたいな不穏な緊張感も、今なら彼が解消してくれる。「ウイッス中田さん、今日は飲ましますよ」ぐらいの気軽さで中田英の肩を叩くだろう。宮本と助け合い、空いたグラスを下げ、三都主がこぼしたビールも拭く。そうしてるうちに中田英がいい具合にデキあがってくれたら、後ろの列から稲本が鋭くしゃしゃり出て、中田英の鼻につまようじを刺す。そして、左右の鼻に計6本のようじを刺したヒデに、こう言わせるのだ。
「こんにちは、ぼくドラえもんです」
 これなら飲み会全体が大盛況。もちろんサブ組が寿司を注文する暇もない。
 そう。稲本の役割は「気配り」なんかではない。ボランチなのに「(酒に)つぶれ役」なのだ。

というわけで、クロアチア戦ではデキあがった稲本に出番が来るよう、期待したい。

2006年06月16日

●ベルリンの黄色い雨(スウェーデン×パラグアイ)

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飲み物カップ争奪戦、順調にポイントを積み重ねておるぜよ。これよ、毎日コツコツ集めてたらよ、決勝戦、ダフ屋に20万円とかふっかけられても怖くねえじゃんよ。逆に「ほほう、20で足りるのか」ぐらい余裕かませんじゃんよ。「カップを拾ってW杯決勝戦を見よう」。それが今、こっちに来てる日本人の一部の間でものすごい流行っているキャンペーンだ。

ところでよ、俺は今日ミュンヘンからベルリンに来たよ。電車6時間半よ。朝8時半に乗って、午後3時に着くよ。小学生だったら朝の会から帰りの会アルヨ。いっそ「江橋よしのりの世界の車窓ブログ」にしたほうが需要あるんじゃないかってぐらいアルヨ。やんないけどね。

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ベルリンのスタジアムの駅、改札降りて、スタジアムと逆方向に100メートルぐらい歩いたとこにバーベキュー屋があったのだよ。「地球の歩き方」1冊分ぐらいにデカくて厚い肉が、5ユーロ。約750円。日本で食ったら3000円ぐらいすんべこれ。午後6時からのイングランド×トリニダ戦は、この店のテレビで見た。スウェーデン戦の続きのように、最終ラインが徹底的に跳ね返すトリニダの守備も、最後の最後に破られた。引き分けてればリーグ突破も見えたってのに、トリニがした獲物はデカイよ。でもトリニダは強豪相手によく頑張ったニダ。そしてイングランドはエリクソンの隣に次期代表監督のマクラーレンを座らせてた。「さすが、サッカー分かってる国って違うね」と、同行したヤマグチくんは感心してた。なるほど、W杯の教育実習生って感じなのね。「その国のサッカー」っていう方向性すら見つけられず、とりあえず有名人に丸々4年も任せちゃおうって国は、いつになったらこういうことできんだろ。

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で、観戦したスウェーデン×パラグアイ。7万2000人入ったらしいんだけど、一周ほとんど黄色。降り注ぐ声援は、ベルリンの黄色い雨だ。その声援を受けてのスウェーデンだが、なかなかチャンスを決められない。エースのイブラヒモビッチ(伊部良彦一)がこの大会まだ調子が出てないみたい。トップにくさびは入るんだが、彦一のプレーがなんか雑や。要チェックや。前半だけで替えられた。そんなことされて、あの短期な彦一がクサったりしないか心配や。要チェックや。で、またしても奪えそうで奪えないという状態が続き、ジラされてジラされて、最後にやっとゲットするという、家庭教師との恋みたいな展開に、客は完全にシビれてましたね。俺もそうだ。これで最終節、イングランド戦も盛り上がりそうだ。彦一がいつ確変入るかも要チェックや。

2006年06月15日

●ワールドカップビッグマネー

大会6日目。前の日バーゼルまで行って、で、ホテルが取れずにドイツ戻ってカールスルーエで野宿して、そのままチュニジア×サウジ戦を見にミュンヘンまで来たのだよ。も、ずーっと電車に乗っている。ワニは陸上と水中で生活するが、俺はどドイツへ来てからというもの、ワニが水の中にいるぐらい電車の中にいるんではないだろうか。もう正直クッタクタでさ、しかもあづいんだわドイツ。この日なんてあづくて電車ん中で、白目剥いてブッ倒れた人とかいたし、スタジアムでも、木更津キャッツアイの最終回みたいに、ストレッチャーに乗せられて酸素マスクつけられて看護婦にダッシュで台を押されてという、すごいシリアスな状況も見てしまったし。暑い中毎日ハッチャケていると、どっかで自分も果てるのではないかと心配になってくるよ。駅構内だって、こんなに人いるんだもん。
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でもさ、俺がブッ倒れようがそんなことみなさんには知ったこっちゃなく、それより日本代表頑張れということなんですよ。次クロアチアじゃないですか。ブラジルに負けたとはいえ、すごいいいシュートいっぱい打ってきたじゃないですか。何プルショって。ガイ・リッチーの映画に出てくるチンピラみたいな顔して。日本人役でVシネとか出したら100%「鮫島」みたいな名前の役が似合いそうな、相当な悪人ヅラしてるじゃないですか。ああゆう連中に、今度は引き分けでもいかんのですよ。勝たなくちゃいかんのですよ。トドメを刺さんといかんのですよ。

そしたら、俺の体調なんて、俺だってどうでもいい。俺の身体がどうなろうとも、クロアチアにしっかりトドメを刺せって話ですよ。なのでここで、もうすでに辞世の句を詠んでしまおう。

身はたとえ ニュルンベルクに 尽きるとも
トドメをかませ 大和魂

ええ、パクリですとも。吉田松陰だっけ? それすらあいまいなままパクリですとも。『おーい龍馬』のうろ覚えですとも。

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で、チュニジア×サウジの話に戻すね。俺はサウジの10番アルシャルフーブを見たかったのよ。確か最終予選バーレーンに行った帰りのドバイの空港のテレビでサウジとクウェートだったかウズベキスタンだったかとやってた試合を見て、すごいボレー見ちゃったんだよ。どんなやつなんだべと思ったら、いねえのこの日。サウジ人に聞いたら「たぶん怪我した」だって。怪我すんなよ。すんなよ怪我。でもそのかわり、ドーハの頃から見覚えのあるアルジャバーが交代で出てきてすぐに勝ち越しゴール。サウジ勝ったと思ったんだけどね、最後に、右サイド、オフサイ気味の選手にクロス上げられて、真ん中でフリーで打たれやがって。もうちょっとだったのに残念。アルシャルフーブ、次は元気に出てこいよ。つーかもう見に行かないけど。チュニジアはハーフタイムに、床に国旗を敷いて、たぶん神様のいる方角だと思うんだけどそういう方向を向いて、お祈りしてる人がいた。
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で、今日のこのスタジアム内で、もっとも激しかった争いはというと、ドリンクの容器の争奪戦だ。場内のドリンク類は、資源リサイクルのためプラスチックのカップに移し替えられて売られている。で、この容器代1ユーロが、飲み物代に含まれてんのな。ってことだから、飲み終わった後、この容器を返却すると、1ユーロ返してもらえんのな。でもそれ知らないやつが多いんだ。座席んとこに置いたまま帰るやつもいるし、ゴミ箱に捨てちゃうやつもいんのな。それ、拾って集めたらけっこうな金になんべ。というわけで、一攫千金を狙う強者どもが、試合前、ハーフタイム、終了後と、場内グルーッて歩き回って、カップを集めまくっているのだよ。もちろん、俺も負ける気はしねえ。時にはゴミ箱に手突っ込んで拾い、時には誰かが拾いそうな直前に体を入れてカップを足元にキープする。そしてこの日の俺の成果は20個。20ユーロつまり約3000円が手に入った。イエーイ! カンチョー!
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この、ドリンクのカップを争奪する戦いこそが、今現在の各国サポーターにとっての「ワールドカップ」なのである。
ちなみにここまで、俺が知ってる中での最高記録は、日本人サポの68個。彼は毎日カップを拾い、その金で次の日のチケットを買っているのだという。そして次の日も場内でカップを……。おまえがリサイクルしてんじゃん!
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●国境の南

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6月13日、ドイツを出てスイスへと渡った。電車で国境越える時って、座席に「パスポート拝見」つって両国の警察みたいな人が来んのな。で、「スイスに入国する目的は?」とおなじみのこと聞かれるんだけど、これが難しい。
「ワールドカップを見に行きます」
「おいおいおい、ワールドカップはドイツでやってるぜ。引き返したほうがいいんじゃね?」
「ですけどいいんですよ。スイスにテレビ見に行くんだから」
「テレビ?」
「そうテレビ」
「……なんだかわかんねえけど、日本人、ご苦労なこった」
「いえいえどうも」

このやりとりを計2回、ドイツ警察とスイス警察相手に繰り返す。自分でも馬鹿らしいと思うのだが、スイス×フランスは、バーゼルのパブリックビューイングで見たかったのだ。バーゼルと言えば中田浩二。地元のバーゼルサポに、浩二くんを応援してくれとお願いするために、Jリーグチップス浩二カードをたくさん配ってやろうと計画していたのだ。FCバーゼルのスタジアム「St.Jacob's Park」内にある「ハットトリック」とかいうスポーツパブに、意気揚々と俺は乗り込んだ。

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が、たいへんですよ。浩二くん、ぶっちゃけあんまし人気ねいっす。理由は「だって試合出ないんだもん」。がびーん。とかなんとか言っちゃって、本当は浩二くんが大好きでたまらないんだろおまえら。愛してるって最近言わなくなったのは、本当に浩二くんを愛し始めたからなんだろ? ならばカードあげるからさ、正直に喜んでよ。「えー、でもカードの字、読めないもん」。
がっがびびびーん。おのれスイス人め、おまえらもう少し愛想よくしろよ。俺は今日、スイス応援しにここまで来てやってんじゃん。ちっとは感謝しろって、もてなせって。なんか損した気分。さっきあげたカード、やっぱし全部返せ!

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と、俺は店を飛び出しかけたその時だった。
「ちょっとあなた面白い言葉しゃべるわね。それ何語?」
来たよこれ。なんつーの、捨てる神あれば拾う神? じゃあ、俺の話を聞け、2分だけでもいい。中略。
「中田浩二は頑張り屋さんね。ありがとう。すてきなギフトをいただいたお礼に、私たちから1杯おごるわ」
よかった。平和は保たれた。スイスはこの日、フランスに勝てなかったけど、俺は次もスイスを応援する。浩二くんを応援すると約束してくれたあの子のために。あの子……いけねい、名前聞くの忘れた。
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2006年06月13日

●女とデートしてたつもりが実は男だった気分(ドンデン返しの日豪戦)

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キックオフ1時間前。この頃の僕らといったら、とても無邪気だった。数時間後に訪れる未来のことなんて、まだ誰も知らなかった。

JPN1−3AUS

って、なんだよこの喪失感。オーストラリア戦が、すでに数日前の出来事のように感じられている。つーか80分までとその後のテンションのギャップ。温泉旅館で散々ハッチャけてる最中にヤクザ登場みたいな、女とデートしてたつもりが実は男だったみたいな、パシリに本能寺放火されたみたいな、なんとも説明できないわびしい気分。上がってって一気にストーンつって垂直落下だもん。せつなくて、胸が張り裂けそうだよなー。

でもオージーにとっては最高の1日だったろうな。大逆転のどんでん返しだもん。『ウソ800』を飲んだらドラえもんが帰ってきたみたいな気分。だったらオーストラリア人になった気分で、この一戦を楽しく振り返ってみるとするか。


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「イエーイ! ヒディンク最高。交代選手がガンガン活躍して大逆転だぜ。やっぱいい監督に恵まれた俺らは幸せだね。どっかの誰かさんなんか、守り固めたいはずなのにボランチの人選ミスしてるし、追いつかれてもどうしていいか頭働かなくて、逆転されてロスタイム入った後にやっと切り札のFW出して来やんの。ダメダメ遅せえっつーの。あの監督誰つったっけなー、確か『ジ』がつく人。あはははは、愉快だな。ピアノでも弾こうかな。『後手踏んじゃった、後手踏んじゃった』。あはははは。悔しかったら日本人も弾いてみろよ。は? 『だけど僕にはピアノがない』? それじゃあおまえ全然話になんねえんだけど。あはははは。そもそも日本人って変だよね。腐って糸引いた豆とか食うんだぜ、死んだ魚生で食うんだぜ。フグ? 生? 毒? 何で食うの? 意味分かんね。あとさ、イルカとかクジラとか、あんなかわいい生き物も食うんだぜ。かわいそー!!」

と、ここまで自分で書いてみたんだが、さすがに自分でも腹が立ってきた。ボランチの交代ミスは俺らもみんな分かってんだけど。ええ。福西は完全に足止まってました。まったくボール奪いに行かなくて超頭来ました。ただ立って歩いてるだけで全然プレッシャー行かないから、そっちのボランチからパス出し放題にしちゃいました。ええすいません、分かってるんですけどすいません。そんな燃料切れのボランチを替えずに取っとくし、そのうえ交代で入ったボランチも、ボールホルダーにアタックできるタイプの稲本じゃなくて、展開系の小野でしたすいません。おかげで最終ラインはズルズル下がりましたよすいません。自信なくてすいません。セットプレー守備も課題なんですが、同点ゴールのシーンみたいに、スローインもセットプレーとして考えてる優秀なチームには太刀打ちできませんすいません。ええ、大黒出すならハーフタイムで高原と替えるのが正解ですよ。みんな分かってるんです。でも監督が気がついてくれないんですよすいません。それと、
お め え ら だ っ て
カ ン ガ ル ー 食 う じ ゃ ん !!

そう。オーストラリア代表は「サッカールー」とか言う愛称で、カンガルーはチームのマスコットでもあんのよ。食うくせに。で、サポーターも、カンガルーのビニール風船人形とかかついで来てる人が多かったのよ。でさ、カイザースラウテルンからの帰りの電車で、そのカンガルー人形をドア付近の床に置いてたやつがいたんだよ。チラっと視線動かした時、その太くて長いしっぽが一瞬見えたわけ。その瞬間「アヒャーァ! 電車ん中にデカいトカゲがいる!」って思ってしまって、超びびりました。

2006年06月12日

●私の名前は宮本恒子

私の名前は宮本恒子。丸の内でカフェの経営をしながら、センターバックをやっているわ。背番号は5。今日もおしゃれなヒールを履いて、ピッチ上で視線を釘付けにするわ。

私のあこがれの人は、背の高いスポーツマン。名前は佑二さん。そばにいてもらえるだけで、なんだか心強い気持ちになれるわ。

でも佑二さんったら、最近少し意地悪なの。大事な時に、私を置いて左サイドに駆け寄ってしまう……。ねえ佑二さん、私をゴール前で、ひとりぼっちにしないで。私、さびしい。しっかりしてそうに見られるけど、ひとりじゃ何にもできない、ドジな女なの。私、怖い。オーストラリアの屈強な大男に迫られたら、私……傷ついちゃうよ。

ねえ佑二さん、いい加減はっきりして。ゴール前と左サイド、どっちが大事なの? 私とアレ子、どっちが大事? ずっと隣にいてくれるって信じてたのに、あなたの背中の22番が、私から遠ざかっていくなんて……。そんなのあんまりよ。ねえ佑二さん、私だけを見て。競り合いになったらあなたが跳んで。そして私を抱きしめて。1回だけじゃ足りないわ。あと10回。あと100回。あと洗顔。

私、分かったわ。きっと全部アレ子のせいよ。アレ子がわざと隙を見せて、佑二さんの気を引こうと企んでいるんだって。だから私は、アレ子の邪魔をする。私だって、そんなこと考える自分が信じられない。でもいいの。汚い女だと陰で叩かれようとも、私はやるわ。だって、佑二さんを失うよりはマシだもの。

ねえちょっと、誰か浩二を呼んでくれない? 6月12日のオーストラリア戦、アレ子の居場所を浩二に奪ってもらうわ。いい? 浩二。私のためじゃないわ、あなたのため、そして日本のために、あなたは全力でアレ子を超えるのよ。時間はないの。それでもあなたはやらなくちゃいけないのよ。覚悟はできて? 村井みたいなヘマは許さないわよ。

●幻のヘルシー料理と美人オーナーにほれました

フランクフルトから電車で約40分、ヴィースバーデンという街の老舗ビア&レストラン2Fに、日本人サポーターのためのお店ができました。ということで行ってみた。
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そしたら、女性誌とかテレビとかですごい話題の「おからこんにゃく」がメニューにありました。しかも、作りながら「これいくらにしよっかな」とか言って、値段も手作り。おからこんにゃくとは、おからとこんにゃくなのに、お肉みたいな味わいのある食材。
http://www.okara-konnyaku.com/
ヴィースバーデンで食べたメニューは、串焼き、唐揚げ、カルビ。すべて肉なし。でも味は肉料理そっくり。すげえヘルシー。開発者である、ベジタリアン料理研究所「華蒟菜」の岡田哲子所長は、W杯期間中ずっとここで料理を作ってるそうで。今、日本では生産が追いつかなくて、注文から3か月待ちとからしいけど、ここ来たら注文して10分で出来たよ。おからこんにゃくを、今すぐ食べたい人は、もうドイツ来るしかないね。
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オーナーのsatomiさんは、いわば日本サポーターのサポーター。お酒、食事、ホテルの紹介や日本戦当日のシャトルバス手配など、いろいろ面倒見てくれるそうです。んでね、このお店、satomiさんを中心に、なんだか「女子大の学園祭」みたいな雰囲気。オープンしてからもいろいろ試行錯誤して、やってくうちにだんだん慣れてくるのかなって感じなので、あたたかく見守りたいなーと思ったよ。
そのsatomiさんがほっぺに貼ってるフェイスペイント風のシールは、このお店に置いてあるし、日本戦の試合会場でも無料で配られるそうです。
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お店の名前:Strassenmuehle(シュトラーセンミューレ)
住所:Strassenmuehweg4 65199 Wiesbaden
アクセス:wiesbaden中央駅からタクシーで約10分(10〜12ユーロ)
電話:0611 450 30 90
サイト:heimspiel.jp/
問い合わせメール: satomi@heimspiel.jp/

2006年06月11日

●俺が近所の草原でシコ踏んでいたら

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俺が近所の草原でシコ踏んでいたら、「カモンボーイ」つって外人がいきなり体当たりしてきた。先に差し手を取られ、無抵抗のままあっさり下手出し投げで地面に寝転ばされた。「ゴッチャンデス、ボーイ」と笑って去っていった外人の、化粧まわしからハミ出たおしりが、プリッとしててかわいかった。弟子になりたいと思った。
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といったフレーズで始まる小説を書きたくなるような、すごいエロ外人オンナを、ドルトムントで発見しちまいました。すげえなこの野郎。なんでサッカー場でこんなかっこうする? その動機がわからない。で、この写真よく見ると、人の影が映ってんでしょ。影の人らみんな、携帯カメラをエロ美女に向けてるでしょ。そこでパツキンサンバ女はみんなに言ったね、「スケベサン」て。


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というわけで、大会2日目はトリニダードトバゴ×スウェーデンを観戦したのだよ。当初は予定してなかったんだけど、当日朝9時にホテルで朝食を食べてたら、運良く定価で譲ってくれるという同宿の日本人サポの方に出会えたのだ。あと5分寝ていたら、またはあと5分早く食事を終えていたら、この試合は見られなかった。すごいラッキーだ。

で、ドルトムント。例の綿毛が漂ってましたねー。去年コンフェデの映像で見た、あのフワフワしたやつ。知らぬ間に吸い込んでゲホゲホもがいてるなら、誰だってそう、僕だってそうなんだ。

試合には、驚いたね。トニリダはGKが大当たり。あとDFの5番サンチョが、横からのクロスをことごとく跳ね返してた。集中切らさずに90分ほぼノーミスであの猛攻を耐え続けたんだから、これは拍手を送りたい。
それと、いいもの見たなってシーンがひとつ。終了間際トリニダがCK得た時、引き分け狙いの選手達は、カウンターをケアして自陣に5人残ろうとしたのよ。そしたらトリニダの監督がさ、怒ってんのよ。手でこうやって「上がれ!」って。そうしてうながされて、サンチョと、201cmのローレンスがゴール前に走ってったんだよね。自陣に残る選手も、長身の彼らの背中に何か声をかけてた。「ここは俺らにまかせて、おまえはヒーローになってこい」みたいなこと言ってたのかなーと。監督が最後に示した「積極性」が、この試合のトリニダの勝因だ。あ、勝ってないけど。でも勝ちにほぼ等しい引き分けだから「引ち」ぐらい言ってあげてもいいんではないだろうか。


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さて、でも、だからと言ってスウェーデンが弱いとはちっとも思わない。むしろスウェーデンがメチャクチャ強いってことを見せつけられた。

イブラヒモビッチ(略してブラヒモ)、ラーション(ドイツ人はラーソンって発音してる)、リュングベリ、アレクサンデション、その他大勢。1対1でボールを奪い取る強さと、奪ってからの攻撃への切り替えの早さ、そして、流氷を砕いて進む船のようなパワーに満ちたドリブル。こいつらまじで、ピッチの海賊だ。

ゴールシーンは見られなかったけど、B組最強はスウェーデンじゃないのかな。勝ち点的にはB組2位でもOKでしょ。ラウンド16で地元ドイツを破るのは、スウェーデンだ。

またこの試合の前に行われたイングランド×パラグアイを、後半15分までテレビ観戦。クラウチがガッチガチに緊張してたね。ロボットダンス踊ってなくても、動きがぎこちない。これW杯では意外と使い物にならないのかも。会場で見てきたというある日本人サポは、彼について「評価も身体も過大」とコメントしてた。うまいこと言うなあ。

2006年06月10日

●背の高いやつはジャマン(ドイツ×コスタリカ)

背が高い.jpg

これだもん。ゴール裏5列目の席で俺、すげえ楽しみにしてたのに、前のやつが身長2mぐらいあんだもん。こいつ絶対、俺らよりも酸素薄いんだろうね。ナチュラルで高山病なんだろうね。

さて、2002年大会までと違って、今回は開催国が開幕戦を戦うことになった。地の利があるとは言うものの、決勝までを見据えてるはずのドイツにとって、大会の初日から登場とあっては、コンディション調整も難しかろうに……。

そんなことを考えてしまった。
ドイツがあまりにしょぼすぎるからだ。

こないだ日本に2点取られたのは、まだ調子が上がってないからだろうななんて思ってたけど、おいおいそっからちいっとも上がってないじゃないかよ。90分とおして、相手のグズグズなパスミス以外では、まったく中盤がボールを奪えてないもの。はっきり言ってやばいべ、これ。コスタリカのワンチョペ(スタンドの観客は「チョペ」って呼んでいた)に2点やられたけど、どっちもそこに出したパサーにプレッシャー行ききれてないもんね。後半からボランチ2枚にしたっぽいんだけど、そんでもつかまえられないんだもん。グループリーグ脱落は、まさかないとは思うけど、でも、うかうかしてられないだろうドイツ。つーかドイツ人。夜中の2時を回った深夜特急車内にもかかわらず、まだビールを飲んでまだ歌を歌ってる君たちのことだよドイツ人。おまえらそんなに浮かれてる余裕あんのかって。つーか行きの電車でもさ、スタジアム最寄り駅の直前に「次はナントカナントカ」って車内放送流れた瞬間、「イエーイ」とか言うなよ面白すぎるから。もうすぐ電車が着くよって聞いたいい大人どもが「イエーイ」って。

あとね、あと、ドイツ人のすごいとこ。満員電車の中に瓶ビール持ち込んでさ、いきなり近くの人に「すいません栓抜き持ってませんか」って聞いてたの。知らない人にだよ。いやいやいくら何でも。道ばたで「ライター持ってませんか」ならまだ分かるよ。でも「マイ栓抜き」持ち歩いてるやつなんているわけねえじゃん!

……と思ってたよ、今日までは。でもな、そこでな、出しやがったんだよ栓抜きを! ドイツ人Aに「栓抜き持ってませんか」って聞かれて、ドイツ人Bは「ああはいはい」ぐらいな気安さでポケットから出したんだよ栓抜きを! 何で持ってる? お国柄? お箸の国の人として言わせてもらうが、そんな俺らも箸はさすがに持ち歩かないし、「すいません箸持ってませんか」って言われても絶対に他人に箸は貸さないんだけどなー。

アリアンツアレナ.jpg


ええ、また脱線しましたね。ドイツは次節、ポーランドが相手だ。ポーランドも後半だけテレビで見たけど、しょぼかったねー。スモラレクはいい動きしてんだけど、攻めのパターンがいかんせん少ない。母親が手を抜いた日の弁当のおかずぐらい少ない。パックンマックンに例えれば、パックンはキャスティングされる目処が立つんだけど、マックンの出番が少ない。後半ポストに2度も当てたのは不運だが、この国もなんだかW杯記念受験レベルなのかなと。しょぼいドイツはしょぼいポーランドとしょぼい試合をして、それでも勝ち点3は持ってくんだろう。次節でドイツのグループリーグ通過と、ポーランドの帰国の日程が決まるんだろう。

エクアドルは次、ドイツ×ポーランドの翌日に試合を行えるという日程面のアドバンテージもあり、俄然生き残りの可能性が高まった。次のコスタリカ戦は引き分けで十分。2節までで勝ち点4、得失点差+2なら、このグループはほぼ間違いなく突破できるだろう。

●WMシュタディオンミュンヘン

ミュンヘン中央駅からMarienplazt(マリエンプラッツ)で乗り換え、U6線で約15分、Frottmaning(フレットマニング)下車。駅から入場ゲートまでの間に、席によって二手に道が分けられる。そこから先、スタジアム内に入るまで、トイレは1個だけ。けっこう並ぶので注意。

ゲートチェックは2段階。
最初はスタジアム入り口の1kmほど手前で、ボディチェックと荷物チェック。ここでペットボトルを没収される。2002年の時のように、フタだけ捨てるんではなく、ボトルごと持ってかれる。(写真は第1ゲート通過後の道)
ミュンヘン.jpg


次がスタジアムの入場口でチケットチェック。ここで名義確認もされるのかと思いきや、6月9日のミュンヘンでは、身分証明書を提示させられた人をみかけなかった。ゲートのところで30分ぐらい、人を待ってるふりしながらずっと様子を見てたんだけど、それでもまったくいなかったみたいですね。ただし、チケット自体が本物かどうかは、なんか機械にさらしてチェックしていた。
ゲートチェック.jpg


この試合に限らず、もし誰か「名義チェックやってるとこ見た」とか「自分がされた」という体験をした方がいたら、ぜひおしえてください。そのときの状況をコメント欄に送っていただけるとたすかります。

なお、ミュンヘン中央駅から電車で2駅(徒歩でも10分程度)にあるMarienplazt(マリエンプラッツ)は、この日パブリックビューイング会場になっていました。
マリエン.jpg

各会場周辺の情報なども、コメント欄にお寄せいただけるとたすかります。

2006年06月09日

●追いつめられて

成田からアムステルダムを経由して、夜11時にフランクフルトに到着しました。オランダでは、パスポートチェックの人が俺の顔と写真とをすっごいガン見してきた。20回ぐらい見てんの。なんだそりゃ。偽造なんかしてねえよ。でもなぜだろうか、弱気な俺は一気に精神的に追いつめられてしまった。俺の心の中では、背景がいつの間にか空港から崖に変わっていた。やっべー。2時間ドラマの残り10分みたいな展開。動機とかアリバイとかを、木村佳乃みたいな女優に棒読みで全部バラされるシーンだ。勘弁してくれよ、まだドイツじゃねえよ、オランダでつまづかされちゃああんまりだよ。

「OK」。やっと言ったよ木村佳乃。引っ張ったね、実に5分は引っ張ったね。その後1.5倍ぐらい念が入ったボディチェックを受け、やっとフランクフルト行き飛行機の乗り換え口にたどり着けた。そしてすぐ、次の難関だ。オランダは土地が海面よりも低いから、飛行機の乗り降りもこんな感じでやれと説明書きがある。
アムステルダム.jpg


全身ズブ濡れになってやっとたどり着いたフランクフルト空港では、荷物が出てくるところで普通に喫煙が吸えた。ドイツにはすごい神経質で粘着質なイメージ(偏見)を抱いていたのだが、分煙とかあまりヒステリックにはやってないのね。ちょっと意外。アムステルダムも煙草に関してはゆるかった。コーヒースタンドでガンガン吸えたし、違う葉っぱの匂いもしてたし。
tabaco.jpg

でも逆に2年前アテネに行ったときなんか、途中トランジットで利用したミラノ空港が完全禁煙でね、「煙草吸いたいんだけど」つったら「外出るしかない」って言われたもんね。しゃあないから入国審査んとこ並んでさ、パスポート見せてさ、「入国の目的は?」って聞かれて「smoking」って答えてさ、外でてやっと吸えたぐらいだったもん。

さて、僕より先にみなさんが気づいていると思うのだが、このブログは余談だらけだ。だってまだW杯始まってねえんだもん。まあいい。そうしてフランクフルト空港の、荷物が出てくるところでのんびり煙草を吸っていたら、やっとサッカーっぽい光景を見た。イングランド人が騒ぎ出したのだ。獣のような大男の集団が、『大脱走』のテーマを口笛で吹きながら空港内をうろついている。腕には、ヘビがドクロに絡み付くというダークな絵柄の入れ墨をしている。怖すぎー。しかもこいつら、喫煙スペースなんか全然無視して、煙吐きながら歩き回っている。勝手すぎー。

で、そっから先は全部省くが、やっとホテルにチェックイン。そして明日は開幕戦。ミュンヘンに移動する。それでは明日、開幕戦レポートと、チケット名義チェックの実態について報告します。

2006年06月08日

●Journey to Germany

こんにちは。フリーライター兼、神保町フットボール協会会長の江橋よしのりです。
2006ドイツW杯現地取材を機に、sablogで個人ブログをはじめることにしました。33泊
35日の旅の間の出来事をつづっていきますので、よろしくお願いします。

まずは手始めに、日本代表マスコット(カラス)に変装して、ドイツのスタジアムを荒らしまくるところから仕事開始するカァー。

カラッペ101.jpg


カラスは舞い降りた作戦。これで日本×オーストラリア戦の会場に、チケットなしで潜り込むことも楽勝だろうカァー。

カラッペ2.jpg


……つうかよ! こんなことして何が楽しいんだか、俺はまだ千代田区なのだよ。俺は今日8日、ドイツに向けて出発する。その前に1本、自己紹介がてら書いとこうかと思ったはいいのだが、ドイツ行ってないしね、W杯始まってないしね、何を書こうって話なのだよ。
つーか海外に出発する前っていつも、ほんっっっとにナーバスになるよ、俺。
怖えーよ外国! ドイツ人もたぶん怖えーよ!
ちょっと油断すると「もう行くのやだ」とか言い出して、電柱にしがみつきそうだもの、俺。今週入ったぐらいから、誰と話しても、話全っっ部上の空だもん。くちづけをかわした日なんか、ママの顔さえも見れなかったもん。
そんで昨日は、夢にうなされたもん。
成田空港で、もう空飛ぶよって段取りになったあたりで、「チケット全部家に忘れた」って夢だ。飛び起きた。ガラナジュース飲んでブラジル代表入りする夢を見たマラドーナのCMみたいに飛び起きた。

マラト?ーナ.jpg


……。うむ。やばい。俺は確実に、外国を怖がっている。やっぱりあの時、去年の6月バーレーンで、砂漠のど真ん中でタクシーを急停車させた運転手にホモをカミングアウトされた時に、気づいておけばよかったんだ。
外国は、俺にトラブルを浴びせかける場所なのだと。

今回はどんな苦行が待ち受けているのだろうか。無事ドイツにたどりついたら、明日更新します。
……なんというテンションだ。
あとマラドーナよ、お前が幻覚を見るのは、ガラナのせいじゃないだろう!
(おいしい缶コーヒーNOVAのせいでもないだろう!!)


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