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2006年07月30日

●日本、北朝鮮に敗れる

日本2-3北朝鮮

なでしこジャパン、3位決定戦に敗れる。
準決勝の暴行騒ぎによってレギュラー3人(GKハン・ヘヨン、DFソヌ・キョンスン、DFソン・ジョンスン)が出場停止となった北朝鮮は、フォーメーションをこれまでの【4-1-3-2】から【3-4-2-1】に変えてきた。

日本は中華台北戦以来、再びダブルボランチの【4-4-2】にフォーメーションを戻した。

GK福元,DF安藤・磯崎・下小鶴・矢野,MF酒井・柳田・澤・宮間,FW大野・永里

北朝鮮は、1トップのリ・クムスクが日本のCBの間に立ち、磯崎・下小鶴を中央に寄せる。そして両CBの外側(磯崎と安藤の間/下小鶴と矢野の間)を、2シャドーが斜めに走り込んで裏を取るという狙いを、明確にして臨んでいた。

前半の3失点中2つは、まさしくその動き。23分に先制されたシーンでは、スローインのボールを受けに行ったトップの選手に下小鶴がついていったため、日本の最終ラインには、磯崎と矢野の間に大きなスペースができてしまった。スローインのボールをトップの選手がスルーすると、ボールは下小鶴の股も通過してしまう。そのボールを、相手の右シャドーのリ・ウンスクが斜めに走り込んでシュート。矢野の対応が完全に遅れてしまった。

33分の2失点目は、ボックスの外で浮き球をつながれてしまい、やはりトップのリ・クムスクがワンタッチでDFの頭上に浮き球のパス。これに反応したリ・ウンギョンがループシュート。また矢野が遅れた。

39分の3点目は磯崎がロングフィードを蹴った瞬間、バレーボールのブロックのように足元にチャージされて、そのまま入れ替わられる。GK福元が一旦シュートをはじきかえすも、こぼれ球を決められた。

日本は前半43分、CKクリアされたボールを一旦下げて磯崎からロングフィード。ゴール前に残っていた澤がバックヘッドでつなぎ、やはり残っていた安藤が右足でシュート。これで3−1。安藤は、右から体を寄せてきた相手DFを右手で押し返しながら、左足1本で2人分の体重を支え、右足を振り抜いた。上半身のパワーと、ボディバランスを失わない体幹の強さは、現場で見ていてかなり衝撃的だった。

後半、日本はその安藤をあっさり替えてしまう。安藤に替えて大谷、そして大野に替えて荒川投入。荒川に対しては、はっきりいって北朝鮮も神経過敏だった。荒川の投入は明らかに遅かった。右ウイングバックに入った大谷はというと、スピードと澤との連携を生かして裏を取る動きを見せていたが、サイドでは怖さが半減してしまう。しつこうようだが、安藤をDFで起用して怖さ半減。大谷をサイドで起用して怖さ半減。かなりもったいない気がする。

そもそも日本は、選手層が薄い。薄いなかで国際試合を戦い抜くしかないんだからこそ、起用法や選手を出す順番、90分の時間の進め方などに、ミスは禁物だ。

なでしこジャパンはアジア枠でのW杯出場権を逃し、2大会続けて大陸間プレーオフに回ることとなった。対戦国が決まるのは11月。USA、カナダに継ぐ北中米カリブの3番手メキシコとの対戦が有力だ。

今大会の総括と、今後のなでしこジャパンの展望については、あらためて僕自身の考えをまとめてみたいと思います。

2006年07月28日

●日本、完敗

日本、完敗。「ただ」サッカーをやっている。そんな印象だった。

オーストラリアは、「最初の15分」を「残り15分」のように戦い、いきなりパワープレーで勝負をかけてきた。それは分析済みなはず。なのに日本は「普通に」試合に入ってしまった。10分の失点は、クリアがたまたまフリーの選手の足元に転がり、そこからのパス(ミドルシュートだったのか?)がたまたま別のフリーの選手の足元に渡ってしまった。けれど、打たれた時、体を投げ出してでもブロックする選手はいただろうか。

2失点目はミスが重なった。前半ロスタイム。0-1でリードされているチームが、あんなにうかつでいいはずがない。この2点目を失ったことで、後半の反撃のイメージは完全に狂わされた。

攻撃も、澤がマンマークをつけられて封じ込まれた。他の選手は、澤に頼らずに打開することができなかった。チームとして澤マーク破りのアイディアを持たずに、「ただ」サッカーをやってしまった印象だ。結果論かもしれないが、例えば、澤を相手最終ラインの中に潜り込ませて、同時にマーカーを埋没させることができていたら、他の選手が使えるスペースが中盤に生まれたかもしれない。前半30分を過ぎた頃から、徐々に最終ラインの裏が空き始めただけに、澤への「勝負パス」を送るチャンスもできたかもしれない。

 後半は、なすすべなく時間だけが過ぎていった感じだ。選手交代も効果的とはいえず、唯一パワーで対抗できそうな荒川も投入できないまま、カードは使い果たされた。

 日本の技術は、今大会中どのチームにも一目置かれていた。しかし、「自分とボール」との関係だけで、サッカーは成立しない。日本は男子同様「人と人」との勝負に敗れたのだ。「敵を倒す」という考えが、日本サッカーにはもっと必要なのかもしれない。悔しい。W杯出場の行方は、3位決定戦に持ち越された。

のだが、準決勝第2試合で敗れた北朝鮮が、試合終了後の審判、そして観客への暴力行為をはたらき、なんらかの制裁が加えられることになった。ひょっとしたら、3位決定戦は中止になるかもしれない。

2006年07月27日

●大荒れの第2試合(速報)

日本、オーストラリアに2-0で敗れ、決勝進出ならず。

準決勝第2試合は中国が1-0で北朝鮮に勝利。
試合後、北朝鮮の選手が判定を不服とし、審判に暴力行為。
GKが主審を両手で突き、レッドカード。さらに、引き上げて行く主審に後ろから蹴り。
5番の選手も、客席(中国サポ)にペットボトルを投げつける。
さらにGKも投げつける。
チームや選手への正式な処分は、明日くだされる見通し。

2006年07月26日

●なでしこ&ワイルド

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準決勝前日、ベスト4に勝ち進んだ日本、中国、北朝鮮、オーストラリアの4チームが、ホスト国オーストラリアから動物とのセッションに招かれた。なでしこジャパンの選手たちも、コアラとの記念撮影を楽しんだ。

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安藤・矢野を両翼に従え、中央に下小鶴。なでしこ自慢のDF陣だ。キャプテン磯崎……は遠慮してたみたいで、替わりにTASAKIの同僚で、スピードと勇気あふれるゴール前への飛び込みが信条のFW鈴木智子がラインに入る。鉄壁の4バックでコアラを完封だ(意味不明)!

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Lリーグで4度の得点王に輝いた大谷と、新鋭GK秋山、そしてコアラ。人気者の3人組、好感度はさらに上がった。

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中国選手も登場。この後コアラに暴言を吐かれ、報復で頭突きを見舞って退場処分に。

で、やってきた動物はコアラだけじゃなかった。大蛇も1匹。気持ち悪がってみんな最初は近寄らなかったが、先陣を切ったのはやはりこの選手だった。

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度胸あふれる若きDF岩清水。さすがだ。深夜のドンキホーテ前とかでこんな格好してても、たぶん彼女なら違和感なし。

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いわしーの積極的なプレーが、なでしこジャパンの緊張を解きほぐした。続いて澤・荒川もチャレンジ。

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ピッチでは威圧感抜群の守護神・山郷だが、蛇には気持ちで押され気味。

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そして、偶然通りかかった日本の女子高生集団もどさくさでセッションに参加。夢中でカメラに収めようとしているのは……イエース! 我らが荒川恵理子! 女子高生たちにとって、コアラよりも大蛇よりも、ガンちゃんのほうが「珍しい動物」だったのかもしれない。

2006年07月25日

●準決勝は対オーストラリア

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準決勝を戦う相手はオーストラリアだ。去年、「東アジア大会壮行試合」として西が丘競技場で対戦した時は、開始早々、風のように日本から2点を奪い、そして最終的にはバテバテになって4点失ったチームだ。今回も、当時のように序盤戦をパワー全開で来るだろうと予想される。そして後半のスタミナ切れという欠点も解消されていないと見る。

守備力はこの1年でだいぶ整備されたようだ。前6人のプレスで相手の中盤を封じ、DFは要の5番サリスバリーを中心に「4枚スイーパー」のようにアタッカーの自由を奪う。1年前よりもタフな相手になったと感じる。

前半は「どのエリアで時計を進めるか」の勝負。両チームとも自軍ゴールからボールを遠ざけたい。ボールを挟んだ両軍計20人がデカい固まりになって、スクラムとか相撲みたいな押し合いを展開するだろう。互いに4バックを崩さず、しっかりと押し返したいところだ。

となると日本が点を取りに行くのは、相手が疲れた後半からだ。オーストラリアは、自分たちのプレス技術に自信を持っているようだけど、肉体的にも精神的にもスタミナは日本のほうが上だろう。北朝鮮戦もスコアレスドローながら、後半はだいぶ押し込まれた。疲れた時間帯で、日本は正確な技術でつなぐサッカーを展開できるか。相手より走れるか。相手に「プレスが通用しない!?」って思わせたら、DFの崩壊も時間の問題だ。相手ボランチの背後で、澤が前を向く。その時が勝負だ。

2006年07月24日

●南北戦

つーか昨日のエントリーなんなんだろ。「虹の彼方へ」とか言って、自分で書いたくせに相当恥ずかしくなってきた。センチメンタルすぎるのはよくないよね。でも寒いんだもんアデレード。心暖まりたいんだもん。そんな時にタイミングよく虹とか出てくんなよ、空め。って感じだ。

で、まあその問題は先送りするとしてだ、今日は日本が準決勝でどこと当たるか決まるわけで、いつものハインドマーシュ・スタジアムへ、北朝鮮×韓国の試合を見に行ってきた。同時刻別会場でやっているオーストラリアがタイに負けるわけなんかないので、北朝鮮は、引き分けなら2位通過。勝てば、オーストラリアとの得失点差6を逆転されない限り1位通過という状況。一方の韓国は勝たなくちゃW杯への道が断たれてしまう。

韓国は戦い方を変えてきた。センターフォワードのチャ・ユンヒを、センターバックで先発させた。北朝鮮のエースのリ・クムスク潰しだ。しかもそこそこ持ちこたえてしまう。リ・クムスクは逃げていた。今大会、何か知んないけど、クムちゃん動き過ぎ。左右に流れても怖くないってば。でもクムちゃん、中央にいると恐怖。足元にパスもらう直前にDFからちょっと離れて、トラップした瞬間に前向いちゃう。これ、恐怖のどん底。「閉鎖病棟にヤクザと二人きり」ぐらい、恐怖倍増だ。

んでも、クムちゃんがせっかくチャンス作っても、今日のパートナーのパク・キョンスンが不発。シュート外したキョンちゃんのリアクションを見ていると、漫画ならこれ背景スミベタで真っ暗に塗って、天井からピンスポット当てたみたいに描くだろうって感じで、全身全霊で「絶望」を表現していたよ。

なんか、実力的には北朝鮮のほうが明らかにうわてなんだろうけど、お互い攻守が噛み合っちゃったようで、試合は膠着。もし引き分けだったら、日本、準決勝で北朝鮮とじゃん。開き直りますが、やりたくないじゃん。なんて不純な気持ちから、僕は心の中で北朝鮮を応援していたよ。本日限定、心の友よ。映画のジャイアンみたいに、今日だけは味方になっていたよ。

なんて思いつつ、まじで引き分けちゃう? みたいに本気で心配になってきた頃、やっと点が入った。北朝鮮、右サイドからの崩しがやっと点に結びついた。北朝鮮の右サイドバックのソン・ジョンスンって、上がってく時、たまに外じゃなくて中を上がんのな。中盤の右サイドをタッチライン際まで目一杯開かせて、そこでキープさせて、マーク引きつけさせて、ジョンちゃんは中を駆け上がる。ザンブロッタを気取っているのか。そんなジョン子にだまされて、韓国はゴール前が混乱してしまったよ。途中出場のキム・ヨンエが殊勲のゴールを挙げて、北朝鮮が決勝トーナメント進出を決めた。

にしても、北朝鮮はもたついてる印象だ。準決勝は頑張るだろうけど、日本と当たる予定の決勝は、その調子でチンタラしててくれ。俺の心の『北の家族』は、本日限りで閉店だ!

お知らせ
水曜発売の『エルゴラッソ』で、なでしこジャパンの記事を書きました。

2006年07月23日

●虹の彼方へ

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なでしこジャパン、中国に1-0で勝利。18分、柳田からのFKに宮間が飛び込んで挙げた先制ゴールを、最後まで守りきった。中国戦に勝ったのは実に9年ぶりなんだと。しかも大橋監督の采配がばっちり当たった。彼が就任して以来、今日がベストゲームで間違いないんじゃないだろうか。まじで気持ちよかった。試合終了後、アデレードの空に虹が架かっているのに気がついた。引き上げていく永里に、「虹きれいだね」ってスタンドから声をかけたら、ニッコリ笑ってくれた。虹もきれいだったけど、戦い終えたみんなの表情のほうが、一層心に染み込んできた。
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日本はこの日、中盤の布陣を替えて臨んだ。去年の東アジア大会で、柳田、酒井のダブルボランチが全然縦パス入れらんないのを見て以来、「早いとこ手ぇ打ってよー」と思っていたのだが、大橋監督はついにそのダブルボランチを解体したのだよ。

酒井を外して中岡を1ボランチで起用。中岡は長いボール蹴れるし、ダイレクトプレーの意識が高く、ルーズボールへの反応も評価される選手。ただ、さすがに強豪相手でいきなり先発はないだろなー、なんて思ったけど、大橋さんはやってきた。そして何より、中岡は期待に応えた。ポテンシャルすげえわ彼女。やるじゃん。

で、ダイヤモンドの底を中岡1枚にしたことで、今大会「やっぱレシーバーとしてサイドに置いたほうが持ち味生きるべ」と思わせる動きをしていた柳田を、左に使うことができた。まあ今日は、守備がメインだったけど、絞って下がる動きもサイドからのクロスへの対応も、ハードワークながらよくこなしていた。右の宮間も、代表ではしっかり守備しないと使ってもらえないことを、本人がよく分かってるみたい。そのうえで、「仕掛けてやる」って気持ちを持っている。素晴らしい。FK取れたのも、宮間の仕掛けが効いたからだ。

ただね、ピッチ全部を見渡すと、今日のでベストの布陣かどうかは、まだ判断できないと思う。日本に限らず、11人全部にスーパーな選手を並べられるほど、女子サッカー界の選手層は厚くないと思う。高校サッカーで言ったら、推薦で全国から有望選手引っ張って来れる私立じゃなくて、オール地元で揃える県立高校みたいなチームで戦わなくちゃいけないのが現状だと思う。そしたら、素材のよさを引き出せる「デザイン」を描くことが、チームとしてすごい大事だ。

そう考えると、「攻撃力でサイドの攻防を有利に進めたい」って理由でサイドバックをやってる安藤が、全然攻撃力を出せないチームになっちゃってる。本当もったいない気がする。性格がまじめなだけに、ちゃんと守備しなくちゃって気い遣ってしまうぶん、プレーに迷いが感じられてしゃあない。中盤を今日のメンバーで固定するなら、安藤は2トップの一角で永里と組ませてみても面白いし、中盤にもう一工夫加えるなら、宮間んとこに安藤、あるいは澤をUSAプロリーグ時代と同じくサイドに使ってトップ下安藤でもいいんじゃないかと思う。90分間上下できるスタミナを安藤は確かに持ってるけど、駆け上がる機会をたくさん作れないんなら、そのスタミナも持て余してしまう。上がりを自重しなきゃいけないほどタフな戦いを強いられるなら、サイドバックには他にも適任の選手がいるはずだし、安藤の攻撃力に期待するんなら、やっぱり前で使うしかない。今大会中にあるかどうかは分からないけど、もう1回「なでしこシャッフル」をしてほしい。

なんつって水を差すようなこと書いてしまったが、日本はグループ1位で決勝トーナメント進出決定。27日の準決勝、オーストラリアか北朝鮮か分かんないけどそれに勝てば、5大会連続5度目のW杯出場が決まる。でも、そんなもんは通過点にしちまえばいい。彼女らにとっての今大会のゴールは、アジア初タイトルなんだから。虹の彼方へ——the future in your eyes,wishes come true!!

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2006年07月22日

●みごたえあり

オーストラリア×北朝鮮はスコアレスドロー。今大会最高レベルのサッカーを見てしまったよー。日本は、W杯出場をかけての決勝トーナメントで必ずどっちかと当たるんだけど、かなり手ごわいよこれ。

オーストラリアは4-3-3の前6人のプレスが非常によく効いてた。すげえ訓練されてるって感じ。実は韓国も同じ4-3-3なんだけど、韓国は敵ボールの時の3トップの役割がきっちりしてなかった。似てるようで全然違うよ。ドラえもんとうまい棒のキャラ(「うまえもん」って名前らしい)ぐらい違う。

で、奪ったボールをトップに入れるんだけど、そっからは北朝鮮が踏ん張る。4-1-3-2のMFが素早く戻ることで、相手がトップに当ててからの展開を封じ込める。お互いの組織的な守備が見事に機能したって感じで、見応えあったよ。

ただね、両者とも完璧ではない。オーストラリアは4バックのラインが揃わない。DFと MFの間にボールを入れられた時、ラインにギャップができる。それにバックパスの処理も危ない場面があった。北朝鮮は攻撃時にボランチが仕事できてないし、つなぎにミスが出る。シュートまで持ってったけど、ポストに当たって入らなかったのは不運だ。つーか北朝鮮、シュート外した選手のリアクションが、めちゃくちゃ派手。なんか「和也が死んだ時の南ちゃん」みたいに、哀しみに包まれて泣き叫ぶかのようだった。つーかプレーが再開すればまたすぐ走り出すんだけどね。

あと、オーストラリアはダブダブの短パンはいてる選手がいなかった。もともと長い脚が強調されてて、動きもダイナミックに見えた。「露出」どうこうの問題でなく、スポーツ選手としてすごいカッコよく見える着こなしだと思った。

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2006年07月21日

●うずうず

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なでしこジャパン、中華台北に11-1で勝利。ただ、両チームの差はもともとこんなもんだ。同じ大会に参加しているとはいえ、どう転んでも勝敗は入れ替わらないほど、力の差は歴然としている。なので、この試合の結果から「日本は強い」と思い込んでしまっては早とちりだと思うし、そう思わせるように煽っても何にもならないだろう。「この勢いで次の中国戦も!」とか、言えないのだよ。そんなこと言ったら歯が浮くどころか、歯から翼が生えて、首ごと空の彼方へと飛んで行ってしまうのだよ。今日の勝ちと、中国戦や決勝トーナメントは関連なし! 別腹! たとえば弁護士の試験を明日受けるという人が、『行列のできる法律相談所』を見た勢いで受かるもんでもないだろう、というのと一緒だ。

今日は今日として、日本の得点シーンを並べてみる。

1点目●磯崎奪ってカウンター→右に開いて受けた永里から中央の大野へパス→DFがインターセプト失敗→大野がフリーでシュート

2点目●バイタルエリアで永里から大野へ横パス→大野は受けると同時にドリブルで縦を突破→パスの後、左へ動いていた永里がフリーでもらってシュート

3点目●左タッチライン際から宮間のクロス→永里、ニアでDFとGKに挟まれながらループシュート

4点目●右サイド安藤から永里へくさび→落としたボールを酒井から最前線の澤の足元へ→澤、振り向きざまシュート

5点目●左に開いた大野がGKの前へクロス→永里がボレー

6点目●澤が左を突破して、中央へパス→阪口、止めて、持ち直して、冷静にGK頭上を狙ってシュート

7点目●ボックスの外で柳田がノーマークに。タイミングを外してGKの頭上にフワリと浮かすシュート

8点目●右CKからのこぼれ球を、ファーで澤が拾い、中岡に落とす→中岡がワンタッチでGKの前にロビング→永里ヘッド

9点目●ボックス内の右で澤がシュート→相手に当たってはねかえる→こぼれ球を中岡がシュート→相手に当たったこぼれ球を永里がヒール→澤GKを右にかわしてシュート

10点目●澤が間延びした中盤をドリブルで駆け上がる→右の安藤、2人に囲まれながら抜いてグラウンダーのクロス→ニアの永里、DFを体でブロック→中央の阪口がシュート

11点目●永里→阪口と渡ったボールを右で受けた中岡が折り返す→ペナルティスポット上で永里ヘッド
(注:最初、安藤のアシストと勘違いして書いてました。失礼しました)
以上。中華台北のDFはマークを逃がし過ぎ。あとボランチがバイタルエリアを空け過ぎ。DFとボランチの間をパスが横切ったら、日本は必ず誰かがフリーになれた。さらにGKは、正面以外のボールを気の毒なほど処理できなかった。枠に打ちゃあいくらでも入んだもん。釘のないパチンコみたいだ。

日本は永里・大野が再三見せた「横に崩す」動きを、次戦以降も狙ってほしい。それから安藤が独特の「落ちる」クロスを上げられれば、これは強豪国のDFも、目測を誤る可能性が高い。中1日で迎える中国戦で、日本の実力が初めて試される。俺は早く見たくてうずうずしてるし、選手も早く本物の試合がやりたいみたいだ。

そして、この日の夜、地元コミュニティFM「ラジオ・アデレード」の日本語番組に俺が生出演。「日曜日はなでしこジャパンを応援しに、ぜひスタジアムへ!」と、アデレード在住の日本人リスナーに呼びかけてきました。パーソナリティのジェイムスは、街でばったり会ったとか言って、岩清水と中岡のサインを見せびらかしてました。ラジオじゃ見れねえっつーの!
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↓マッチリザルト

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2006年07月20日

●うぉー萌え萌え!

"Do you want money girl friends?"

アデレードのタクシー運転手は、確かに俺にそう聞いた。と思った。「マネーガールフレンド」って何? デートクラブの勧誘か何かか?

そしたら、moneyじゃなくてmanyだと。オージーの英語、訛りがきつくて分っかんねえー!

そんな会話をかわしながら、タクシーは今日もハインドマーシュスタジアムへと俺を運んでくれたよ。第一試合、北朝鮮×ミャンマーはグタグタだ。ミャンマーはね、サッカーなんかやってないね。あれは「守備」っていう別の競技だ。5バック3ボランチの計8人は、ボールがどこにあっても絶対自陣から出ない。小学生が「バーリヤーッ」とか言って、ハーフラインから立入禁止にでもしたかのように、見事に一歩も出てこない。北朝鮮は、最終ラインが無条件でハーフラインまで、無傷でボールを運んで、やっとそっから始まるって感じだ。ひとたびミャンマーがボールを持ったとしても、やつらパスなんかしないもん。99%クリアする。パスなんて残りの1%。1試合通して数本しかパス出せてないもん。

ところで、ミャンマーの5番は「ウォ・モエモエ」という名前であって、どんな子なのかなと思って写真を撮ってみたんだが……
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うぉー萌え萌え! とはならないね、正直。てゆうか今思い出したんだけど、『すごいよマサルさん』でモエモエっていなかったっけ? どんなキャラだっけ? セコマ部の女子だっけ?

んでよ、北朝鮮なんだが、去年とかだったらドーンドーンでFWまで長いボール入れてパワー勝負を仕掛けてた印象なんだけど、今大会ではチョイチョイとショートパスをつないで攻めようと意識してるみたい。そして、失敗が目立つ。特にボランチの12番が、ワンタッチでさばこうとしてるんだけどコントロールがやたらとブレる。ひょっとしたらこいつら、戦術の設定を間違えてるんじゃないだろうか。北朝鮮に死角ありだ。が、北朝鮮つったらやっぱ組織ディフェンスが真骨頂だもんな。3ラインがビシッと網を張って、見たことないけど国境線みたいな、板門店みたいな、注文の多い板門店みたいなことやってくるからなー。それ突破するのはたいへんだよ、きっと。

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2試合目。今大会の韓国を初めて見たけど、DFに高さあり、前線に技術あり。でも、そんなに強くないなこれ。男子と同じ4-3-3でやってるんだけど、前3人に守備の意識を植え付けられてない感じで、結果、中盤がスカスカじゃん。先制するまではタイに押し込まれた場面も多かったし。あと、去年の東アジアで見た180cmぐらいのデカいFW、名前忘れちったけどたぶんパクなんちゃらとかキムうんちゃらみたいなやつ、あいつ、いねえの。聞いたところによると、トレーニングについてこられず、呼んでもらえてねえんだと。確かに去年も90分フル出場はしてなかったし。体もたないんじゃしゃあないべ。ただ、途中からボランチに入った9番のパク・ウンジュンがね、いいパス持ってんだよこれが。コンパクトなフォームから、相手最終ラインの手前と裏に正確に蹴り分ける。たぶんアジアのどのチームにいても、彼女はレギュラー取れる実力持ってると思う。彼女は要注意だね。

と、いった感じで今日も2試合見まして、夕食はエミューとカンガルーとワラビーとクロコダイルの肉を食いました。
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つうかよ、オーストラリア人の諸君、エミューつったら国鳥だべ? エンブレムについてる鳥だべ? いいのかそれをもりもり食って? 日本人はヤタガラス食わねえぞ。

↓マッチリザルト

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2006年07月19日

●フットボールを踊ろう!

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女子W杯アジア予選。日本は初戦、ベトナムを5-0でやぶった。

あれー? 5点って、ちょっと控えめ? 今日のなでしこジャパンは、前半と後半でまったく別のチームだったのだよ。大会の初戦ということで慎重に入ったんだろうけど、しかも東アジア優勝の韓国が初戦4-0で負けて早くもがけっぷちという、調子乗ってるとやばいよという空気を読んだんだろうけど、前半はなんか期待はずれだ。39分、右CKを下小鶴が頭で折り返し、詰めていた澤が右アウトで押し込んでやっと先制。やっぱ慎重っていうより、思いのほか手こずった感じだ。

ベトナムは5バック3ボランチと、グッズグズなサッカーで守りを固めてきた。日本はセオリーどおりサイドから崩したいんだが、崩す以前に、左右に流れた2トップにボールが収まらない。落ち着かない。一旦相手ボールになると、中途半端に複数の人数がボールに寄ってしまうので、ベトナムが苦し紛れに蹴り出したボールを拾えない。やっべーなこれ。

後半、荒川に替えて永里を投入。同時に2トップの一角だった大谷と2列目のポジショニングに修正を加え、永里1トップの下に大野・澤・大谷が並ぶ形を作る。これで完璧にリズムが変わった。永里にボールがしっかり収まるので、2列目の3人が小気味よく動く。さらに、ボランチの柳田が最前線まで駆け上がり、左からズタズタに崩す。なんか、前半は選手の動きがぎこちなくて、まるで結婚式で親戚の歌でも聴かされてるかのような「ノッていいの? つーかノれるの?」みたいな雰囲気だったけど、後半はプロのDJがすげえスウィートなレコードをかけてくれたかのよう。なでしこたちが、やっと踊り出した。

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そして後半15分から大谷に替わって入った阪口が、裏にできたスペースをことごとく突いた。阪口は代表初出場で2得点。彼女はよかったよ、すごい。直線的に裏を突くんじゃなくて、斜めに走ってって、キュッとコースを変えてパスを引き出す。永里・阪口と中盤の選手は、実に息が合っていた。

大量得点で圧勝とはいかなかったものの、終わってみれば悪い試合ではなかった。中国戦以降の強豪との戦いに向けて、ナーバスになる必要はない。あさっての中華台北戦は、前半から踊り出そう!
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この日のマッチリザルトは、「続きを読む」でご覧になれます。


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2006年07月18日

●女子W杯予選スタート!

ドイツから帰ってきてみたら、スポーツ紙もテレビも、そして知り合いも「ジダンの頭突き」ばかり話題にしてるという状況に、やれやれとため息をついたのも束の間、南オーストラリアのアデレードにやってきたのだよ。今日からは「女子W杯予選日記」として、7月31日の最終日まで、毎日更新を目標にブログを続けるのだよ。

香港で乗り継いだ飛行機の中で、ジャージ姿の女子の集団を発見。
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これ100%どっかの選手だべと思ったら、
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中華台北……。

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ちょっと頼むよ中華台北、あんたら「女足隊」て。日本は「なでしこジャパン」、オーストラリアは「カンタス・マチルダズ」。でも中華台北「女足隊」て。こっちがテレるっつーの。まあでもこれが台湾テイストな。「池袋ウエストゲートパーク」は「池袋西口公園」つってそのまんまだし、「LUNA SEA」は「月之海」つって、それは関取なのかそれとも焼酎か、みたいな名前になる(だったような)。それが台湾テイストな。ちなみに関係ないけど「闘莉王」も、最初字を見た時、関取かと思ったよ。

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さてだ、大会はすでに始まっている。近くの空港から飛び立つジェットの音に悩まされつつも、始まっている。1次リーグはA組(中国・日本・ベトナム・中華台北)、B組(北朝鮮・オーストラリア・韓国・タイ・ミャンマー)に分かれていて、各2チームづつが決勝トーナメントに進出。そして(やや複雑だが)中国を除く上位2チームが「女子W杯2007中国大会」に出場、3番目のチームが北中米カリブ3位とのプレーオフに回るのだ。「じゃあ中国は?」って話なんだが、来年本大会の開催国なので、出場権はすでに確保。「だからじゃあなんで予選に参加する?」って話については、今行われてるこの大会が「女子アジアカップ2006」も兼ねているからであって、来年のW杯行きの切符には関係なくとも、中国は「アジア王者」を狙って参加しているのだ。ふうー、説明疲れる。

んで、俺が着く前日に1次リーグB組の2試合が行われ、オーストラリアが韓国を4-0で、タイがミャンマーを2-1でそれぞれ破った。あひゃぁー、去年の東アジア優勝した韓国がいきなり4点くらって負けたんかよ。早くも韓国がけっぷち。そして18日の大会2日目、タイ×北朝鮮は9-0で北朝鮮の勝ち。あの国立のアテネ五輪予選当時から絶対的エースであるリ・クムスクが、左右両足からすげえ強烈なシュートを決めていた。怖えー。ちなみに北朝鮮は、アテネ五輪予選ではFILA、(男子の)W杯最終予選ではadidas、東アジア大会ではumbroのユニを着ていたが、今大会はhummelだ。きまぐれだ。きまぐれ平壌ロードだ。

この日、もう1試合は地元オーストラリア×ミャンマー。オージーの客達は「アロイージ」とか「キューウェル」とかって名前の入ったレプリカを着て騒いでいる。まったく気に障る連中だこと。そのオーストラリアは初戦から先発7人も取っ替えて、めちゃめちゃ手抜き。「総集編」と銘打っては過去のVTRばかり流す『HEY!HEY!HEY!』ぐらいの手抜きっぷりだ。そんな茶にごしっぷりを披露して、格下ミャンマー相手に2-0という凡戦を繰り広げてしまった。まあ、本気出せば強いんだろう。あと、この2チームの選手の、体格の差がすごかった。オージーはアスリートの体なんだけど、ミャンマーの選手は貧弱に見えたよ。これって栄養の違いなのか?
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で、試合後はベンチの横でオージーのサイン会。子供たちが大喜びで選手のサインをもらってた。日本のなでしこリーグでもこういう光景よく見るけど、ほんと女子の試合会場って、メジャーリーグみたい。と思ったが、俺はメジャーリーグを生で観戦したことがない。憶測で物を言ってしまった。すいません。
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長いけどあとちょっとだけ。明日はA組の2試合が開催される。日本はベトナムと、中国は女足隊と対戦。ベトナムは正直言って「もう帰っていいや」レベルのチームなので、なでしこジャパンのみなさん、容赦なく20-0ぐらいで勝っちゃってください。

以上。アデレード寒い。冬。コートいる。窓をそっと開けたら冬の風の匂いがして、ため息は少しだけ白く残ってすぐ消える。ほんとに以上! また明日!

↓この日までのマッチリザルトは「続きを読む」で!

続きを読む "女子W杯予選スタート!"

2006年07月11日

●We never watch alone

決勝戦の前に、ベルリン中央駅でこんなポスターを発見。
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おのれドイツどもめ、2006をちゃっかり2010に変えてやがる。そんなポスターは4年後に出しゃあがれ。そして恥をかきゃあがれ。ale-ale-ale。で、決勝戦なのだが、俺、チケット持ってなかったのな。当然現地で調達しなきゃいけないわけなんだが、俺は「すべて定価で入手」を自らに課している。当日、現場での相場がどのぐらいなのかは行ってみなきゃ分からないが、聞くところによると準決勝は2試合とも定価を割ったらしい。ブラジル人、イングランド人、アルゼンチン人あたりが大量にリリースしたためだろう。だったらよ、決勝も定価ちょいぐらいでいけるんじゃないと、ほのかな期待を抱きしめてトゥナイト、スタジアム駅へと向かった。

相場は予想をはるかに超えていた。交渉スタートの最低ラインがだいたい1500ユーロ。円に直したら22万5000円。がびーん。そっから手に入れた情報から、ドイツのネットオークションの前日の底値が1000だったことと、当日余ったチケットをダフ屋が1000で買い漁ってるらしいことが分かってきた。カテ問わず。だもんだから、決勝チケットの横流しは、プロも素人も関係なく完全に「商売」な。もうね、売るほうも買うほうも、悪いのび太みたいに目が三角に吊り上がってる。影には悪魔みたいな羽と尻尾が見切れてて、時々重低音でゲヘヘと笑う。キックオフ寸前まで、荒れ模様が続きそうだった。

別の作戦を考えるため、一旦マーケットを離れ、スタジアムをフェンス越しに歩く。フェンスの高さは約3メートル。昨日市内で見たベルリンの壁よりも低い。どこか突破できるような場所はないか。警備が手薄になるのはどんな時か。さおだけやはなぜつぶれないのか。歩きながら、口笛で映画『大脱走』のテーマを吹いていた。気合いがみなぎっていたのだ。そして、テレビ局の車とかが出入りする駐車場沿いの、前後を茂みに囲まれた一角を発見。茂みに身を隠して、中の様子を偵察する。
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そんな時、ちょうど元イタリア代表のロッシが到着したみたいで、そっち側に人だかりができている。警備員はそっちに増員された。千載一遇のチャンス到来だ。

『GO』の窪塚洋介みたくフェンスに向かってダッシュする。地面を強く蹴り、くさびのパスを入れるようにフェンスに手をかける。最終ラインを押し上げるかのように、その手で体を思い切り引き寄せる。なのに速攻見つかった。いい感じであったかのように書いてるが、実際は恥ずかしいほどバレバレだった。体はまだフェンスの外側で、ただ「へばりついてる」みたいなかっこうになっていた。警備員が言った。「何やってんだ!」。俺はとんちで切り返した。「アイム、スパイダーマン!」。……。突破作戦は失敗に終わった。つーか、第1ゲートのフェンスを越えられたとしても、チケットチェックのための第2ゲートはどうするんだという話がある。まあどっちにしても俺の作戦では失敗するしかなかったのだ。しょぼーん。

もうしょうがないね。また駅に戻って、チケット売ってくれそうな人を探すしかない。1000とか言わないでさ、定価でいいよぐらいの、なんなら昔話に出てくるじいさんみたいに「ばあさんや、W杯の決勝のチケットが余ってしもうたから、お地蔵さんにあげてきたど」みたいな親切な正直者はいないものかと、探しまわることにした。「I NEED TICKET」ってボードよく見るけど、俺あれ用意してなかったのよ。で、なんかキオスクの横に捨ててあった段ボール、けっこうデカめのA3ぐらいのサイズの段ボールを拾って、何も書かずに頭の上に掲げてみたのよ。そしたらよ、それでも来るの、人が。売りたい人も買いたい人も。よく知らないけどオニキスみたいに。結局あの文字なんか読んでないんだな、みんな。「あなたのそれはルアーですね」なんてうまいこと言ってくれた日本人の人もいた。OK、交渉開始だ。もちろん俺の希望額は「(満面の笑みで)ノーマルプライス」。

交渉の結果、イタリア人にキックオフぐらいの勢いの軽い蹴りを入れられ、ドイツ人には「コーラでも飲んでろ」と吐き捨てられた。そう言えば喉が渇いていたのでコーラを買った。「I NEED COLA JUST NORMAL PRICE」。2.5ユーロだった。

再び定価で交渉。するとドイツ人の老人が「こっちおいで」と、俺の手を引いて人混みを離れるように歩き出した。え? ヒット? 定価で譲ってくれるの? この人傘地蔵の人? 老人はグングン歩を進め、駅構内へと俺を連れていった。そして、電車の路線図を広げて言った。
「私らが今いるのはここの駅。で、この電車乗って何個目の駅で降りなさい。お金ない人はそっちで大きなテレビ見るといいど」
老人は、ブランデンブルク門のパブリックビューイング会場までの行き方を、丁寧に丁寧に説明してくれた。すべての男子が、自分の彼女にオフサイドのルールを説明するかのように、根気よく俺に説明してくれた。スタジアムのほうから、イタリア国歌が聴こえてきた。ああ、始まっちゃうんだ。
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結局、俺はスタジアムに入れなかった。代わりに、駐車場に停まってたテレビ局の中継車のモニター画面で、スタジアムの音を聴きながら、オリビアを聴きながら、見ていた。金はないけどサッカー見たいって感じの人たちがどんどん人が集まってきて、みんな地べたに座り込み、息をのみながら、スケールはちっぽけだけど『ニューシネマパラダイス』みたいな状態で決勝戦に見入っていた。俺らネバーウォッチアローン。最後は花火もみんなで見た。
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6月9日の開幕戦に始まり、7月5日の準決勝第2試合まで、27日間で17試合を観戦した。チケットは、当初の計画通り、痛快OL通り、すべて定価で入手した。上出来だったかなと、自分では思う。試合観戦以外でも、サッカー好きがこんだけ集まってこんだけハッチャケる1か月間を、まるまる開催国で過ごせたことで実に楽しめた。見て、書いて、見て、書いて。頭がシャッフルされて、実に気持ちよかった。

日本に帰ったら、すぐにサッカーやりたい。言葉とか写真とかだけじゃなくて、ちゃんと体に、ドイツW杯を染み込ませたい。スコアとかデータとか、そういう数字っぽいものをパッと思い出せなくても、なんか「体が覚えてる」みたいな感覚で、俺はこのW杯を、自分の肉体の一部にしたいと思う。

そしてこのブログは、タイトルの問題は置いといて、7/18から『女子W杯予選日記』としてリスタートを切りたいと思っています。

2006年07月09日

●恒子の部屋

ルールル、ルルルルールル、ルルルルールールールールーーー。恒子の部屋へようこそ!

先日、ボンにいる知り合いから、日本代表が泊まったホテルの部屋を用意できると連絡が入った。選手が実際に泊まった部屋をリクエストできるらしい。

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だったらこの人の部屋で。もうね、せっかくだから泊まることにした。1泊199ユーロ。高いけど、馬鹿丸出しだけど、泊まることにした。

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部屋は広いっすよ。アメニティーも充実っすよ。でもビオレ洗顔フォームは置いてなかった。ちゃんと持ち帰ったか。

で、選手はこの部屋でどんな生活をしていたのか。それが気になる。なのでいろいろ想像して、やってみた。

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●「今日は完全オフ。昼間っからダラダラ飲めるなんて、俺たちぜいたくだなー。あ、ペイボタン押しちゃった?」

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●「エアコンの設定温度が5℃!? こんな子どもっぽいイタズラ…おい茂庭、おまえか?」

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●「あーあ、どうやったらみんなをまとめられるのかなー」

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●「やっぱ俺には無理なのかなー」

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●「やっぱ嫌なことは忘れて、早く寝よっと」

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●「ZZZ……」

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●「え? 俺のファウルでPK!? ああ、夢か。夢でよかった」

といった感じで、カメラをタイマー設定にして、ひとりでこんなこと5時間もやってたよ。俺はどうしようもない馬鹿だ。ところで、翌朝チェックアウトしようと思ったら、クローゼットに忘れ物が。
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名前の入ってない11番。しかも床には銀色の髪が落ちてる……。あひゃぁ!! 俺より先に鈴木も泊まりに来てたのか!?

●女子サポは宝だ!

さて、もうすぐ3位決定戦が始まるという時間で、1日後には決勝を迎えるというタイミングを迎えてのこのエントリーだが、最近は試合が休みの日が多いので、なんだか書くことがなくってもやもやしてたよ、俺は。もやしっ子には負けないよ、俺は。ああ、こうしている間に、教会の鐘がガンガンに打ち鳴らされている。あの鐘を鳴らすのは誰だ?(正解はあなた)。……。ああ、ドイツは今日も電車が遅れているよ。「(いっこく堂のものまねで)あれ、電車が、遅れているよ」。……。そ、そ、電車な、20分遅れとかしょっちゅうなんだけど、20分遅れるつったらきっちり20分後に来んのな。「その能力があるんなら、なぜ最初決めた時間に来れないかな」と、この旅の道中何度も行動をともにしたウエノさんが、ドイツ人の「やればできる子」さを鋭くエグっていた。

んでだ、ちょっと前の話になるのだが、スタジアムでこんなシーンを目撃した。
あのドナルドが
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女子サポをナンパしてた。

気持ちはよく分かる。なんだか今大会、スタンドに美女が多いのだ。かわいい子大集合。お尻を出した子一等賞。俺の勝手な感想だと、メキシコ、ブラジルがランキング同率1位な。あとはイタリア、フランス、スウェーデン。そして日本。イエース。日本の女子は世界レベルでかわいい。そして外国からも評価が高い。と、海外に来ると毎回思っているのであって、3年前、フランスで行われたコンフェデの時も、俺はこんなコラムを書いていた。掲載時から多少の加筆・修正をほどこしつつ、あらためてまた載せてみる。


『女子サポを海外へ』

フランス在住の日本人の女の子−−フランス戦の翌日、電車の中で、日本代表について書かれた新聞記事を日本語に訳して読んでくれた女の子2人組に、コロンビア戦後、スタジアム隣のカフェでばったり再会。そのまま少し話してたら、今日のスタジアム、地元フランス人がいっぱい日本を応援してくれてたんだそうで。日本の女の子たちみんなして背番号名前入りのシャツ着てるから、ナカムラ、ナカタ、イナモトあたりは、この2試合でサンテティエンヌのガキどもにもだいぶ有名になってるそうで。なるほどな。海外で、地元民に「一緒に日本応援しようね」って呼び掛けるんなら、大和撫子って実は巨大戦力なのかも。そうな、日本の女子って本当、世界どこ行ってもかわいいって評価されてるみたいだし、キャンギャルつったら言い方悪いのかも知れないけど、地元の声援引き出すには、やっぱ俺らオッサンよりも彼女たちのほうがよっぽど効果あるからな。女性ファンのみなさん、今後とも引き続き、応援頑張ってください。

ってなわけよ。でよ、今回書きたいのは、そっから先さ。応援でさ、女子の声を武器にしないかってことだ。たぶん、誰かがもうすでにどこかの媒体なりサイトなりで述べてることだとは思うのだが(注:当エントリー公開後、すでに「党首」さんといいう方が同様の意見を公開していたとの指摘を、コメント欄にていただきました)、だとしたら俺が言うことでもないのだが、なんかこう、サポーターソングのさ、一小節だけを女子のみで歌うとか、男女交互に歌うとかさ、そういうのどうかなと。ゴスペラーズがライブで客席にハモらせるみたいに、見に来てる人も参加して、ひとつの「作品」にする、みたいな。ひょっとしたらW杯の名物になるんじゃないかなこれ。たとえばよ、たとえば分かんないけどサザンの『勝手にシンドバッド』のイントロの
ラーラーラーーララララーラーラーーー
をさ、最初男子だけで歌うのよ。で、続けて
ラーラーラーーララララーラーラーーー
と女子だけで歌う。で、それを繰り返す。面白そうだと思うのよ、俺は。しかもさ、「戦えー」みたいな、選手にファイトを促す場面じゃなくて、1点リードして終盤で、相手が足つって倒れてゲームが止まってる時とかに、も、日本人全員で「ごきげん」気分で歌うの。日本代表しあわせソング。アジアの試合とかでもよ、イランとかサウジとか、イスラム圏の選手はこれ、女子の集団の声聴いちゃったら、なんつーかこういろんな意味でカチンコチンになって、試合どころじゃなくなるんじゃないかな。以上、日本の女子は、世界に通用する武器だと、俺は言いたい! でんでんでんぐりがえってバイバイバイ!

2006年07月06日

●夕焼けジダン

準決勝第2試合。この1か月で4回目のミュンヘンだけど、午後9時からの試合を見るのは初めてだ。試合開始前、俺の席からちょうど対角線の方向、メインスタンド側左のコーナー付近の屋根の上に、夕日が沈んでいくのに気がついた。昼間は殺風景にしか見えなかったアリアンツ・アレーナの屋根が雲海のように見えて、1日の最後の陽射しを反射させてぴかぴかしている。天国にいるみたいだ。
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今大会限りで引退を表明したサッカー界の太陽も、夕焼けみたいに美しく、最後の輝きを放っている。フランス代表にとって、彼はまさしく太陽だった。彼を中心に惑星たちが周囲を回転した。彼を欠けば、チームは光と熱を奪われ、たちまち凍り付いた。今大会、グループリーグでは燃え尽きたかにも思えたその太陽は、決勝トーナメントに入って以降、再び輝き出した。

この日のフランスは、とにかく徹底的に無駄を省いて、90分間時計の針を進めた。スピードにあふれる展開はない。攻守の切り替えは、攻から守、守から攻ともに相手より遅れがちだった。けれど、ガリレオの唱えた地動説のように、それでもパスは回っている。太陽を中心に。エリア内でアンリにアジャストしさえすれば、フランスはもうそれだけで、どんなチームからでも確実に1点取れるチームだ。そして実際、エリア内でアンリが倒されPKを得た。

PKが左隅に決まると、蹴り込んだ太陽に万来の拍手が降り注いだ。

ジネディーヌ・ジダン。彼が最後の光を放つ場所は、W杯決勝の舞台ベルリンに決まった。


と、そんなことを書いてみたはいいのだが、フランスは次が7試合目だぜ。体力もつかなー。
つーか負けてしまったポルトガルは、決め手に欠いたよな。1トップのパウレタは結局この日も貢献できてなかったし、フィーゴとクリスティアーノ・ロナウドも、ドリブルで中に突っ込んでくタイミングを測ってる間に、マケレレにすーっと寄ってこられてコースを消されてしまう。しかし、それにしてもクリスくんみたいなドリブラーが、もし日本に現れたとしてもだ、「持ち過ぎ」とか言われてスポイルされちゃうんだろうな。ああゆ選手を育てて勝ってるチームって、国内では野洲高校ぐらいだもんね。持ち過ぎ君を、その特徴を維持したまま育てられるように、日本サッカーの育成界にトライしてもらいたいと思ったのだよ。

あと、お知らせ。現在発売中の『スポーツヤァ!』で、「もうひとつのW杯」という記事を書きました。
ドイツに来てから取材して書いた、サポーターたちのW杯物語です。
おひまだったら読んでみてください。

2006年07月05日

●ピルロだけが知っていた

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延長後半の終わりかけ、どうやったらこの試合に決着をつけられるか、その方法はピルロだけが知っていた。

決勝点はCKからクリアのこぼれ球を拾ったピルロが、右にいたグロッソに絶妙のスルーパスを送ったことで生まれたんだけど、その1個前のプレー、つまりイタリアがCKを得たプレーって、ピルロのミドルシュートだったんだよね、確か。そのシュートのシーン、場内のスローで1回見た限りでは、ピルロは打つ直前に目だけ動かしてチラッと右を見てたはず。録画してた人、確認してみてください。あいつ自分で打つ動作しながら、フリーになれる味方探してんだー。ラブミーテンダー。なんて思ってた矢先、まさしくそんなパスからの決勝点だった。俺もびっくりしたけど、これよ、ピルロも結構びっくりだったんじゃないだろうか。「ゴール前で俺んとこにボールが来るでしょ、そしたら味方がこうやって走ってて、俺がシュート打つふりしてそこにパス出すの。そういうのやれたら、PKとか面倒くさいことやんないで決勝行けるのになー。このCKでそういう感じになんないかなー……って、思ったとおりじゃん!」なんつって。ピルロは狙ってたにしても、こんなにドンピシャ都合良く偶然に条件そろうことなんか、広瀬香美の歌以外にはなかなかお目にかかれないんじゃなかろうか。
イタリアサポ.jpg

つーか話は変わるのだが、準々決勝からドイツに来てる俺の知り合いがよ、試合見終わった後スタジアムの外で待ち合わせの約束したんだが、そん時なぜか隣に美女を従えてたのよ。まじかわいい。矢吹春奈が上げたクロスを工藤理紗がダイレクトで合わせたような顔立ちだ。で、この人誰? って俺が聞いたら「ドイツ来る飛行機で隣り合わせに座った人で、俺がW杯見に行くんですつったら彼女もそうだって話になって、じゃあスタジアムで会うかもねなんつってたら、スタジアムでも席が隣だったんだよ」だと! ファーック! 偶然にもほどがあるっつーの、まったく。勝ち誇ってんじゃねーよ、まったく。はい? ロマンスの神様この人でしょうか? そんなの知らねえよ!!

話を試合に戻すのだが、ドイツはチャンスにことごとくミスショットしちゃったねー。組み立てはよかったと思うんだけど。片方のサイドにバラックとケール、ボランチが両方とも寄ってって人数かけてさ、相手の中盤も片サイドに寄せてさ、そこで勝負してバラックがガラガラの中央に突っ込んでったりとか、玄関からじゃなく勝手口から侵入するみたいな、そういう突破口を考えてたんだろうけど。でもシュートが決まんなかったんだよな。チケットなくてファンフェスタに集ってた人含めて、ドイツ人いっぱいこのドルトムントに来てたのに、残念なこった。
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開幕時にはしょぼいしょぼいと思ってたドイツだけど、冬の親善試合ではイタリアに4点取られて完敗してたドイツだけど、この準決勝までには、まあベスト4にふさわしいぐらいのチームになってたので、この短期間でのチームの伸びっぷりには実に感心した。なんか1試合ごとに成長してくって、『キャプテン』の墨谷二中みたい。

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決勝は片方イタリアか。サポは勝った瞬間、青い煙の発煙筒を炊いてたよ。デルピエロのゴール、もう1回見てえな。

2006年07月04日

●なでしこジャパンもお忘れなく!

W杯は準決勝前のお休み期間中だけど、日本では「なでしこリーグ」の前期最終節が、7/2に行われたはずだ。ここ数年、毎週日曜日には女子サッカーを見に行ってる俺としたら、もう、そっちが気になっちゃってしゃあない。
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俺より一足先に、ベスト16まで見てドイツから帰国した妻が、神戸でTASAKI対ベレーザを取材したそうだ。試合は序盤TASAKIペースで進んだものの、澤の時間を止めたかのようなループで先制し流れを変えたベレーザが3-1で勝ち、前期を首位で終えたそうだ。今季の澤は、リーグ開幕戦でダイビングボレーを決めたりと、ゴールに絡むところでのインパクトあるプレーが目立つ。澤が好調であることは、女子W杯予選を間近に控えるなでしこジャパンにとっても、心強いだろうな。

で、なでしこリーグもこの日をもってお休みに入り、代表による福島合宿を経て、いよいよ7/16からはオーストラリアのアデレードで、女子アジアカップ兼女子W杯アジア予選を迎える。そのメンバーは7/3、協会から発表された。
http://www.jfa.or.jp/women/daihyo/news/060703_04.html

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日本は、グループリーグでベトナム、台湾、中国と同居。中国以外の強豪である北朝鮮、韓国、オーストラリアはもう一方のグループに固まった。各組上位2チームが決勝トーナメントに進出。この組み合わせなら日本は100%決勝トーナメントに行ける。そのうえ北朝鮮、韓国、オーストラリアのどっかひとつが、グループリーグで消えてくれる。実にラッキーな組み合わせだ。女子W杯のアジア枠は2.5。プラスW杯開催国の中国が自動出場。ちょっと複雑なんだけど、要するに来年のW杯本大会開催国の中国は、この女子アジアカップで何位になろうと、W杯出場はすでに決まっている。で、なでしこジャパンが来年の女子W杯出場を決める条件も、ちょっと複雑だ。

●今大会で2位以内に入れば出場決定
●中国が決勝に進んだ場合の3位決定戦に勝てば出場決定
●中国が決勝に進んだ場合の3位決定戦に負けたら、北中米カリブ海3位との大陸間プレーオフ
●3位決定戦を中国と戦った場合は、勝っても負けても大陸間プレーオフ

以上が条件だ。日本は、これまでの親善試合などから考えると、GK山郷、CBに磯崎と下小鶴または岩清水、SBは右に安藤、左に矢野、ボランチは酒井、柳田、宮間、そしてママとなって復帰した宮本らのボランチ勢に、オフェンシブの澤、大野を組み合わせたボックス、2トップは大谷、永里になるんだろうか。個人的には、現時点のメンバーならCB磯崎と四方、SBに川上と山岸(ふたりとも代表呼ばれてないが)、ボランチに宮本と澤、オフェンシブに宮間と山本、トップに荒川と安藤を並べて、両サイドからガンガン追い越してくサッカーが日本らしくてアジアでも最強な気がするんだが、どうだろう。出てくる名前が、あまりにマニアックすぎて、読む人がついてこられなくなってそうだが、まだ続ける。

日本の注目選手は、俺の中ではいっぱいいるのだが、ひとり挙げるとすれば安藤梢。浦和レッズレディースではFWながら、代表では右SB。彼女の攻撃力をフルに発揮するには、代表でももっと前のポジションが望ましいんだけど、でも、ポジションがどこであっても彼女がすごい選手だってことには変わらない。スピードもドリブルもキック力もシュート精度も、今の日本の女子選手ではたぶんナンバーワンだと思う。安藤の攻撃参加で相手をズタズタに切り裂いて、右からのクロスに澤が合わせる。そんなシーンをたくさん披露して、日本に5大会連続5回目のW杯出場をもたらしてもらいたい。

2006年07月03日

●ロケット砲の弾の上にブルドッグ

だめだこりゃ。路面電車が途中で停まっちゃうんで、勝手に線路に降りて歩き出すスタンドバイミーなイングランド人がたくさんいた。じゃあ俺も、と思って降りたら、そっからスタジアムまで3kmだと。あ、る、き、た、く、ね、えー。アムステルダムで買った、カエルがマリファナ吸ってる俺のTシャツも汗でぐしょぐしょだ。

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スタジアムはドーム式で、アメリカのバスケットみたく屋根から大型ビジョンが吊ってある。これが見やすいんだわ。その画面、国歌斉唱の時に見てたら、カメラマンがいい仕事してた。歌ってるイングランドサポをぐるーっと横にナメてく感じで、最後すーっと引くと、彼らのいるスタンドの手前にエリクソンがアップでフレームイン。この撮り方はちょっとカッコイイ。参考にしようと思った。けど俺はビデオカメラ持ってない。がくーん。しかもその、国歌の間に、俺の隣の席に、長くてきれいなブロンドの髪の人が、両手にビールを持ち、チケットを口にくわえながらやってきた。肩とか胸元とか、すごい丸出しっぽい。ラッキー、と思って、わざとらしくないように視線を動かしてみた。男だった。がくーん。

あと試合。だめだこりゃ。試合中俺何してたかっていうと、退屈してたもん。コスティーニャとデコが前の試合で退場くらったせいなのか、ポルトガルの攻めが単調でしゃあない。ボールは全部横に逃がしてばかりじゃん。1トップのパウレタも、テリーとファーディナンドという、ほとんどスリラーのクリップに出てくるバケモノみたいなセンターバック2人に挟まれているので、まともにボールなんかさばけない。実際のところ、イングランドのこのCBコンビは強かった。で、イングランドの攻撃陣は、ポルトガルのしつこいマンマークディフェンスに手を焼いた。ラインを高く設定され、ルーニーがだいぶゴールから離れた位置でくさびを受けざるを得ない。そうなったら2列目を、裏にできた広大なスペースに走らせたいのだが、ここにポルトガルの中盤が、とにかくよく並走して食らいついてった。

ルーニーが退場してクラウチが出てきてからは、もう本格的につまんなくなった。寝ようかと思ったぐらいだ。両軍ともに、分かりきったワンパターンの攻めを繰り返すばかり。イングランド人のサポは相変わらず口汚く、ナイフみたいに尖っては、触る者みなののしった。けれど、ロケット砲の弾の上にブルドッグが乗っているという、子供が考えたかのような絵柄の入れ墨をしたうえに、前歯が3本ぐらいかけて口の中がガタガタになってるイングランド人が、相手やら審判やらを罵倒してるんだけど、場内の画面に自分が映ってると分かった瞬間、そんなやつでも笑顔で手を振っていた。素晴らしい。俺もどんなに苛立っていても、テレビカメラとヘリコプターには、笑顔で手を振る余裕を持っていたい。「月が追いかけてくるよー」なんて言いながら、思い切り笑って全力疾走できる無邪気さを、忘れずにいたい。
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試合後ゲルゼンキルヘンの駅では、そんないい年したガキみたいなイングランド人が、ものすごくガッカリしていた。「女房子供を質に入れてじゃねえけどよ、盗んだ貴金属にニセの鑑定書つけてはコツコツ売りさばいて手にした金を、全部このW杯に捧げたんだよ俺は。それなのに、たった5試合で終わっちまうなんて、ファッキン悲しいぜ」。とは言ってないがだいたいそんなニュアンスの顔した連中が、3人並んで、顔を手で覆って泣いていた。友情に気づいたアシュラマンみたいに、泣き顔が3つ並んでいた。

そして駅では、モンテディオ山形のユニを来た外人がガッツポーズをしていたのだが、それはまた、別の話。
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2006年07月01日

●SAY NO TO 偏った判定

SAY NO TO BIASED JUDGE

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準々決勝ドイツ×アルゼンチン。ドイツの試合を生で見るのは開幕戦以来だ。つーかあれから3週間も経ってんのか。3週間前ねー。あれから僕たちは何かを信じて来れたかな。大半のドイツ人は、信じてるみたいですよ、母国の優勝を。も、日に日に国民の表情が変わってくのわかるもん。3週間前のドイツ人と今のドイツ人の顔比べたら、漫画の1巻と10巻の絵ぐらい違って見えるもん。街歩いてても電車乗ってても、お化粧なんかはしなくても、国民は代表チームにもう夢中。ホームアドバンテージを利用したら、アルゼンチンなんてイチコロよ。
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なのですよ。ドイツに有利すぎなんじゃないかな、判定が。前半のドイツは両サイドバックも全然上がらず4センターバック気味に中固めて、相手がサイドを使ってきたらシュナイダーとシュバインシュタイガーに最終ラインまでくっつかせるぐらい専守防衛に徹してたせいもあるのかもしれないが、ゲームが動いてる間はほとんどアルゼンチンボールだったのよ。でも、一旦プレーが止まればほとんどドイツボールだもの。アルゼンチンが自陣でタックルしたらドイツのFK、どっちが最後に触ったかみたいにタッチを割ったらドイツのスローイン。ちょっと、ちょっとちょっと。アルゼンチンの選手は肩をすくめて手を広げて抗議していたよ。

そんな感じで前半終了。ハーフタイム中、ドイツはこれどう攻めるんだろうなんて思ってたら、後半開始早々ダイブした。当然ドイツのFK。そうかシミュレーションも取らないか。でも、この日のドイツには肝心なところでミスが出る。肝心じゃないところでもミスが出る。パスミスがやたらと多かった。その度にドイツ人の漏らしたため息が、大量の二酸化炭素となって上空に舞い、地球温暖化がちょっと進んだかもしれない。

49分アルゼンチン先制。スローで見たら得点したアジャラと、その前で跳んだ選手
と、2人も完全に体を前に入れている。ドイツが空中戦で2人完敗。あちゃーって感じよ。リケルメの蹴ったCKは、前半とパターンを変えて、ふわっと上げて落としてきてた。さすがやね。

もうこれドイツだめかもね、なんて思っていたら、思いがけないアクシデント。GKのアボンダンシェリが負傷で途中交代。あぼーんダンシェリ。直後にリケルメも引っ込んだ。それから5分後にはクレスポも引っ込んだ。78分ですべてのカードを使い切ったアルゼンチンは、残りを守り切るつもりなのか? ビッキビキのアウェーなのに!?

ドイツの同点ゴールは、クレスポが引っ込んだ直後に生まれた。アルゼンチンは選手交代の間、一瞬集中力が切れていた。バラックがスローインする時、スローワーにマークがついていなかった。リターンもらったバラックに、フリーでクロス上げさせていた。そっからは、ヘッドで逆サイドにすらしたポドルスキも、そこへマークを振り切って走り込んでったクローゼも、実に見事なプレーだった。

うーむ。同点ゴールに文句はないし、PK戦を制した瞬間、真っ先にレーマンとカーンが抱き合ったシーンも美しいと思ったが、開催国びいきの判定にはちょっとシラけたよ。この日、試合前に「人種差別をなくそう」というスローガン「SAY NO TO RACISM」宣言を、両チーム主将がマイク使って行っていたが、偏った笛にもNOと言えたらいいのに。準決勝ドイツ×イタリアは「SAY NO TO BIASED JUDGE」でお願いします。
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