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2006年07月06日

●夕焼けジダン

準決勝第2試合。この1か月で4回目のミュンヘンだけど、午後9時からの試合を見るのは初めてだ。試合開始前、俺の席からちょうど対角線の方向、メインスタンド側左のコーナー付近の屋根の上に、夕日が沈んでいくのに気がついた。昼間は殺風景にしか見えなかったアリアンツ・アレーナの屋根が雲海のように見えて、1日の最後の陽射しを反射させてぴかぴかしている。天国にいるみたいだ。
ミュンヘン夕焼け.jpg

今大会限りで引退を表明したサッカー界の太陽も、夕焼けみたいに美しく、最後の輝きを放っている。フランス代表にとって、彼はまさしく太陽だった。彼を中心に惑星たちが周囲を回転した。彼を欠けば、チームは光と熱を奪われ、たちまち凍り付いた。今大会、グループリーグでは燃え尽きたかにも思えたその太陽は、決勝トーナメントに入って以降、再び輝き出した。

この日のフランスは、とにかく徹底的に無駄を省いて、90分間時計の針を進めた。スピードにあふれる展開はない。攻守の切り替えは、攻から守、守から攻ともに相手より遅れがちだった。けれど、ガリレオの唱えた地動説のように、それでもパスは回っている。太陽を中心に。エリア内でアンリにアジャストしさえすれば、フランスはもうそれだけで、どんなチームからでも確実に1点取れるチームだ。そして実際、エリア内でアンリが倒されPKを得た。

PKが左隅に決まると、蹴り込んだ太陽に万来の拍手が降り注いだ。

ジネディーヌ・ジダン。彼が最後の光を放つ場所は、W杯決勝の舞台ベルリンに決まった。


と、そんなことを書いてみたはいいのだが、フランスは次が7試合目だぜ。体力もつかなー。
つーか負けてしまったポルトガルは、決め手に欠いたよな。1トップのパウレタは結局この日も貢献できてなかったし、フィーゴとクリスティアーノ・ロナウドも、ドリブルで中に突っ込んでくタイミングを測ってる間に、マケレレにすーっと寄ってこられてコースを消されてしまう。しかし、それにしてもクリスくんみたいなドリブラーが、もし日本に現れたとしてもだ、「持ち過ぎ」とか言われてスポイルされちゃうんだろうな。ああゆ選手を育てて勝ってるチームって、国内では野洲高校ぐらいだもんね。持ち過ぎ君を、その特徴を維持したまま育てられるように、日本サッカーの育成界にトライしてもらいたいと思ったのだよ。

あと、お知らせ。現在発売中の『スポーツヤァ!』で、「もうひとつのW杯」という記事を書きました。
ドイツに来てから取材して書いた、サポーターたちのW杯物語です。
おひまだったら読んでみてください。

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コメント

前半の文章で涙ぐんでしまいました。
写真もステキです。
今週の土日でワールドカップも
おしまいですね。

楽しかった旅の帰り道中の気分です。
さみしー。

>彼が最後の光を放つ場所は、W杯決勝の舞台ベルリンに決まった。

ここまでの文章素敵でした!
こんな華麗なドリブルのような文章も書けるんですねw サスガです! その後のフェイントの如き崩しも素敵ですけども

ベルリンで一緒に撮った写真は僕の宝物ですよ

W杯って、やっぱり長いですね~
日々の執筆も大変だと思いますが、最後までおもろいのをヨロシクです!


>いつもさん
いつもありがとうです! 励みになります。そしてもうすぐW杯も終わり。決勝翌日の7/10が、値下がりしらお土産を買うチャンス。その体力も残しとかなきゃ!

>おじまさん
ベルリンでは、まじでばったりでしたね。後半ふざけた文章になっちゃいましたが、つい手が勝手に、というか、俺が寝てる間に、小人が箱から出て来て勝手に……。東京帰ったらまた一緒にサッカーしましょう!

決勝までドイツなのねー。カップヌードルは足りてますか? やぁ!、読みました。すてきなアプローチでした。結局、ケルンの後は遭遇せずだったけど、戻ってきたらまた。体、気をつけてねー。

>さぐちさん
どもども。もうね、1か月もいるとソーセージを見るだけで気持ち悪くなるね。カップヌードル食べたい!

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