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2010年6月10日

津田大介さんsabra独占インタビュー4

津田大介さんsabra独占インタビューの最終章になります。

<4.ビジネス編/つぶやきを通じて表れる人間性が心を掴む>

tudadaisuke_04.jpg sabra ここ数年で増加したブロガー発の有名人のように、ツイッターを通じて多くの人と交流し、メジャーになる人も増えていきそうですか?
津田 増えていきますね。例えば、福岡に“うめけん”くんという高校生がいるんですよ。彼は中3のときに「将来福岡で起業して地域を盛り上げていきたい!」という夢を持ち、ツイッターでいろんな経営者の人を見つけてはフォローしていったんです。「話を聞かせてください」って。それがどんどんいい方向に進んでいって、こないだはソフトバンクの孫社長に会ったとも言ってましたね。
 多分、彼のように意識の高い子はどのみち表に出てきたと思うんですよ。ただ、ツイッターを活用することで世間に注目されるまでの速度がいままでよりすごく速くなってる。  一種のツイッタードリームのような感じで人気者になった彼に限らず、ツイッターを自己PRなどのメディアとして使う人も今後いっぱい出てくると思う。即ち、チャレンジしたい人にとっての機会が平等なっているのかもしれないと思いますね。
sabra ブログやUST(アップストリーム)、my spaceなどほかのメディアと連携しやすいことも有効なツイッターの活用法ですよね。
津田 ツイッター内には自分のアカウントに他のユーザーのつぶやきを転載できるRT(リツィート)のような仕組みもあるので、フォロワー同士じゃなくても情報が広がりやすい。発言と一著にブログやUSTの情報をRTで自分のフォロワー以外に広めてもらえば、自分に興味を持つ人も増えてくる。そもそもツイッターは共感が広がりやすいメディアなので。  ただ、多くのユーザーはこれをメディアだと思って使ってないと思う。共感や感動などでゆるく繋がっていく中で、フォローがどんどん増えていく人はメディア人としての意識が無意識的に芽生えてくる。そのような傾向はあると思いますね。
sabra ツイッターは情報や物事への誘導にも大きな役割を果たしていると思いますが、うまく流れに持ち込むための手法はありますか?
津田 それはやっぱりある種のギブアンドテイクだと思うんですよね。ツイッターの世界からいろいろなものを得ようと思ってるだけの人はダメ。逆に普段から自分のフォロワーやツイッター自体に貢献しようとしてる人はその人自身に自然と信頼感が生まれてくる。それがブランディングや宣伝に繋がっていく。
 様々なツイッター理論が進んでいるアメリカには『ビジネスツイッター』という約70の成功例を集めた本があるのですが、それによると成功をつかんだのは「ビジネスでこれをやった」ということではなくて。美談に繋がったのは、顧客の人と直接コミュニケーションをとる企業の担当者の人間性が見えたという事例がほとんど。陳腐な言葉ですけど、“人のあたたかみが見えるツイッター”が、ツイッターの世界では人気があるんです。
 ツイッターはものすごく人に、個人にむすびついたプラットホームなので、起業のアカウントでも企業内個人というパーソナリティーが重視されている。そういったツイッターが人気を集めているのがビジネスの世界の現状ですね。

<これからのキーワードは『ライブ感』>
sabra 話は変わりますが、ツイッター実況を意味するスラング『tsudaる』の語源って、津田さんがとあるシンポジウムをツイッターで3時間実況中継したのが始まりだそうですね。同じライターとして発想と集中力がすごいなぁと思うのですが。
津田 いや、僕からすると楽なんですよ。イベントをレポートするときってがっつりメモをとるわけですけど、帰ってからそれを記事にする作業が苦痛で苦痛で(笑)。けどツイッターでリアルタイムに中継すればイベントが終わると同時に仕事も終わるから手離れがいい。あと眠くならないというメリットもある(笑)。  それから「この人が数秒前に発言したんだな」ということが伝わると、読者側も臨場感を持って自分のことのように受け取りやすくなる。「前日にこんなイベントがあってこんなことがありました」と見るのとではライブ感がぜんぜん違う。
 僕が書いた『ツイッター社会論』も本当はサブタイトルの『新たなるリアルタイム・ウェブの潮流』というのが本題で。インターネットはこれからはリアルタイム・ウェブになっていくという、そういう話なんですよね。
sabra リアルタイムだからこそライブ感も伝わるし、いろんな人のつっこみや意見が入りやすくなる。その第三者の声が入ることでより面白いものが生まれていきそうですね。
津田 ツイッターとの連携で典型的なのはラジオ。TBSラジオの『キラキラ』では番組を聴きながらリスナーがつぶやいた内容をパーソナリティーがリアルタイムで見て、トークにも生かしているんですよ。これまでもメールやファックスで意見を募集するという相互性は合ったけど、パーソナリティーに対する直接的なメッセージや、単純にリスナーが思ったことなどを音声と画面の両方で見られようになった。そのことによってラジオの体系がよりリッチになっている。そういう意味でツイッターはあらゆるメディアとケンカしないんですよね。
 ツイッターはこれ1つで主体にもなるし、他を引き立てることもできる。ひとことでいえばよくできたダシみたいなもんですね。


これで。sabra独占インタビューは最後になります。
ご愛読ありがとうございました。

2010年6月 3日

津田大介さんsabra独占インタビュー3

津田大介さんsabra独占インタビューの第3章になります。

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<3.実用編/ツイッターは飲み会を5倍楽しくするツール>

sabra ツイッターを楽しむ上でのルールやマナーはありますか?
津田 シンプルに言えば、知らない人とのコミュニケーションを取れるのがツイッターの一番の醍醐味。とはいえ知らない仲であれば、最初に話しかけるときは“ですます調”にしたほうがいい。フラットな空間ではあるけど、いきなり知らない人、特に年下っぽい人からタメ語で話しかけられるとカチンとくるのが人間だと思うので。
sabra そこは普通の人間関係と同じですね。
津田 まぁ、それでも普通の人間関係より距離を縮めてやすいツールではありますからね。フォローしあううちに「この人おもしろそうだな」とか「信頼できそうだな」というのがわかってきたら、リアルに会うのも僕はぜんぜんアリだと思います。
sabra 実は私の友達に「実際に繋がってるよ」という友達がいまして。最近では“ツイッター飲み会”をやってるらしいんですよ。
津田 あ、飲み会といわれたのでこれも。僕はツイッターを“飲み会を5倍楽しくするツール”ともいってるんです。お互いの近況とか何をしてるのかをなんとなく頭に入れておけるので、実際にあったときの話題に事欠かないんですよね。「あのときのツイートのあれどうだったの?」とか「あれってどういうこと?」とか。そういうときにも便利ですね。
 あと、その人の深い部分や独白みたいな一面を知れるのもいい。初対面の同士で飲む場合って、お互いに距離があるから踏み込んだ話が聞きづらいじゃないですか。でも事前にツイートを見ていれば、「この人だったらこの程度は踏み込んでも大丈夫かな?」という距離感が図りやすい。今までだったら3回くらい会ってからじゃないと踏み込めなかった部分に1回で行けるみたいな。人同士の距離を縮めやすくする効果もすごくあると思います。
sabra なるほど! 自分が落としたい相手と飲みに行くとしたら、ツイッターで互いにフォローしあっておいたほうがいいわけですね。
津田 そうしておくと実際に2人きりで会ったときの会話の密度は濃くなりますね。
 ツイッターを機になかなか会うことがなかった人同士が出会って、付き合うようになることもぜんぜんあるはず。最近では互いにツイッターでフォローしあって結婚した“ツイッター婚”も出てるし、“ツイッター離婚”もある。やっぱりコミュニケーションのレイヤーは幅広いですね。実際に会って話すと緊張しちゃうけど、ツイッターなら平気って人もいるでしょうし。
sabra 人見知りの人でも気軽に知り合いを増やしやすいというわけですね。
津田 逆に人見知りの人ほどいいツールだと思いますね。いろんな人をフォローしていってコミュニケーションをとることで、「この人だったらいっぱい話せそう」という人を見つけやすくなるわけですから。何を話せばいいかわからないような人と話すことは無理でも、話す話題がお互いきちんとわかっているような環境が築けていれば、その人に対してはうまく話せるということもあると思うので。


第4章へ続く  次回更新は6/10になります。

2010年5月27日

津田大介さんsabra独占インタビュー2

津田大介さんsabra独占インタビューの第2章になります。

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<2.初級編/まずは100人をフォローしよう>

津田 ただやっぱりね、ツイッターは最初が難しいんですよ。「登録したらまず何をやればいいんだろう?」というのがわかりにくいので。 sabra 私も2カ月前に始めたばかりなんですけど、うまく使いこなせなくて。具体的にどういうことをすればいいんですか?
津田 ちなみに名前はなんですか?
sabra lemonlemon515です。
津田 長いですね(笑)。まず、IDは短ければ短いほどいいんですよ。リツィートされるときに相手が書ける文字数が減っちゃうので。
 で、具体的なことですが、僕が初心者の方におススメしてるのは情報が流れる感じを掴むためにフォローする人を増やしましょうということ。ツイッターの面白さって情報が流れる感じだと思うんですよ。アクセスしても発言が更新されてないんじゃ面白くないじゃないですか。だから最初は友達、あとは知ってる芸能人からフォローしていく。それで20〜30人くらい行くと思うので。そこから先は「100人くらいフォローするといいよ」と言ってます。
sabra いきなり100人ですか! 残りの70人はどうすればいいんですか? 
津田 ツイッターの検索機能を活用するんですよ。好きな作品やアーティストなどいろんなもので検索をかけて、つぶやいている人が見つかったらそのページを見る。で、趣味や価値観が合いそうだったらどんどんフォローしていくわけです。
 あと、個人的にすごくオススメしてるのは、同業の人をフォローすること。抱えてる問題意識や流してくれるニュースの内容が近いので話すきっかけがつかみやすいし、なにかと便利なんですよ。探すときは業界の特殊な専門用語を検索にかけると早いです。例えば僕だったら出版業界とかIT業界なんで、出版用語の“ゲラ”で検索すれば何かしら「自分が書いたゲラを見てる」とか「校正やってる」という編集者やライターのツイートに行き当たるので。
sabra そういう人を見つけてどんどんフォローしていけば、100人ぐらいはすぐに達成できるというわけですね。
津田 そう。そしてフォロワーが増えると自然とタイムラインが流れ始める。様々なツイートが流れてきたら、同意でもそうじゃなくても突っ込みたい発言って必ず出てくると思うんです。それに対してどんどんリプライ(返信)していくのが次に行うこと。
 知り合いじゃなくてもリプライしていけばそこから話が繋がって会話をするきっかけになることが多い。さらにその流れを見ていた他の人が会話に入ってきたり、自分のことをフォローしてくれたり。フォローしてくれた人のプロフィールを見たら、やっぱり同業者だったとか。こうしてフォローする人とされた人が増えていく。で、その中で違うなって思う人がいたらフォローをはずしてもいいわけだし。
 ある種ツイッターって雑誌の編集長になったようなものだと思うんですよ。“フォローする”という事自体が「このライターさんに記事を書いてもらおう」とか「この人に連載してもらおう」とみたいな感覚。「この人最近筆が鈍ってるな」とか「イマイチだなぁ」と思ったら「連載を切ろう=フォローをはずそう」というようなこともあり得るし。そういう意識で人を増やしていくと、自分のホームページ=タイムラインが面白くなる。
 もちろんSNSのように友達と交流するという使い方も出来ますよ。ただ、友達以外の交流にこそ僕は醍醐味があると思うので。
sabra ちなみにどうせやるなら実名を名乗ったほうがいいもんですか?
津田 多分、いままでのネットに比べたら実名の人は明らかに多いと思いますね。多くの人がオープンにやりとりする場なので、そのほうがリアルにコラボレーションしやすかったりするし、面白い繋がりも増えていく。それらがどんどん可視化されていって、ひとつのムーブメントになっているから、実名を出したほうが楽しみやすいと思われるのかも。
 なにより実名を出すデメリットよりメリットの方が大きいと判断した人が増えているから、ツイッターは実名が多いんじゃないかなと思いますね。
 ただ、そうは行っても、普通のサラリーマンの人が所属をあきらかにして全部実名でやるのは守秘義務などの問題もある。だから僕が最近会社に勤めてる人にオススメしてるのは、“やわらかな実名性”。IDは好きな名前でいいけど、プロフィールの名前は漢字じゃなくローマ字にしておく。そして会社名を出さずに「メーカーで営業職やってます」とか、「出版社に勤めてます」というように業種だけ書いておく。そういう風にやっていると、分かる人には「ああ、これはあの人かな?」って感じでなんとなく気付いてもらえるし、同業者とも繋がれる。完全に実名ではないけど実名自体は出しておく。そのぐらいのレベルが現実的な落としどころとしては悪くないんじゃないかと思います。
sabra 単純にアカウントを2つにわけてしまうというのはどうですか? 実名と会社で、表の顔と、完全匿名でいいたいことを書くというような。
津田 それもアリですけど、僕は複数アカウントはあんまりオススメしてなくて。ツイッターは人間性が出れば出るほど面白くなるもの。なので、その人が持つネガティブな面も、いい顔をしたい部分も両方出るのが魅力につながっていくと思うんですよ。人間って多面性があるじゃないですか。その多面性があるものをツイッターというのは140字で切り取るわけで。だからその積み重ねで生まれるタイムラインにはその人の人間性が3〜4割は出てくるんですよ。
sabra つぶやきが積もればその人の人間性が見えてくるわけですね。
津田 見えます。文章ではすごいダンディだけど実は性格悪いなぁとか、ツイートを見ればわかりますからね。短い言葉の積み重ねだからこそ、取り繕おうとしても取り繕えない面が表れてしまう。そこがツイッターの面白いところだと思います。


第3章へ続く  次回更新は6/3になります。

2010年5月20日

津田大介さんsabra独占インタビュー

2006年7月にアメリカで開発され、2008年には日本語版がオープン。以来、飛ぶ鳥を落とす勢いでユーザーを増やし、昨年度の流行語としても注目されたツイッター。人はなぜ“140字のつぶやき“にハマるのか? その魅力と使い方、ビジネスにおける活用法を『ツイッター社会論』(洋泉社)などの著書で知られる、津田大介氏に直撃インタビュー。

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<1.ツイッターの魅力とは「オープン性とゆるさと話の早さ」>

sabra まず、ツイッターの魅力について聞かせてください。やはりツイッターの魅力というのは他のSNSやブログなどとの比べて伝達力が早くて強いところですか?
津田(敬称略) そうですね。あとは140字という短いメッセージでのやりとりなので、「あれやろう、これやろうという」話の進みが早いんですよ。そしてそのリアルタイムの会話をオープンな場所でやってるから「じゃあ今から飲みに行こう」というような行動が実現しやすい。社交辞令だけで終わらないというのもツイッターの話の早いところ。  さらに140字という短いワード数だからこそ、「ひとことじゃ言い足りないから次のことも書いていこう」と思える側面もありますよね。そうするとみんなのコミュニケーションも加速するんじゃないかなと。だからやっぱりメッセージの最小単位を140字に分割したというのが、そういうツイッターの効力だと思います。
 あとはSNSと違ってフォローする、しないという決めごとことに相互の承認が不要という気楽さ。SNSだと「この人の日記はちょっとな〜」と思っても、ベタッとした人間関係があるから切り辛い。でもツイッターの場合はフォローするかしないかを自分の判断で決められるから、そのへんの自由度はSNSと比べて高いですね。
 それにツイッターのツイート(つぶやき)は時間と共に流れていくものなので、自分のペースでコミュニケーションを取りやすい。SNSだと「なんでコメントしてくれないの?」といわれるような場面でも、ツイッターなら「ごめん、少し離れてたら流れちゃってて気づかなかったよ」と言えるわけですから。
sabra 煩わしい人間関係に引きずられずに済むわけですね。
津田 そう。そして話題や共感をベースにちょっとだけつぶやけるのもいい。  例えば、愚痴や悩みを友達にメールで送ったら、その友達に「それを返信しなきゃいけない」という心理的な負担を与えたり、その人のコストと時間を使ってしまったりする。だけどツイッターの場合は内在的なつぶやきだから、弱音を吐いたとしてもそこを見た人で反応できる人だけが反応してくれる。そういうところで相手の時間を消費している感じも起きないし、つぶやけるのも140字以内だからそこまでディープな話にもならない。そういうところも気楽に使えるポイントですね。
sabra 津田さんでもツイッターのフォロワーがどんどん増えた時期に、意見や人付き合いに混乱したり振り回される時期ってありましたか?
津田 まぁね。でもツイッターはいままでのネットと違って、「本当にいいよね」というサイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)の賛同がリツィート(引用返信)や同意という形で目に見える。これまでネットで何かに対してモノを言おうって人には「いいよねこれ」っていうことをいう人があまりいなかったと思うので。  例えば強めな発言に対して7対3ぐらいで賛成と反対が別れたとしても、7の賛成があれば賛否両論はいいことだと思えるじゃないですか。いままでのネットだと7の賛同意見を聞かされなかったと思うんですよね。単純に目に見えなかっただけというか。サイレントマジョリティの善意がフォローとして表に出て来るからこそ、否定的なコメントを「こういう人もいるよね」と流しやすくなっているんだと思う。  すべての人に理解してもらうのは無理だけど、賛否の割合が目に見えることでそれが言いやすくなったって言うのはすごくよかったと思います。
sabra 逆にデメリットは?
津田 やっぱり140字というのが良くも悪くもあるんですよね。いろんなことを書こうとしても、どうしても言葉足らずになるので多少の誤解は免れないというか。  ただ、140字だからこそ言葉足らずの人でも書こうと思えるし、ちょっとカチンときたとしても140字だから仕方ないよなぁと斟酌(しんしゃく)することもできる。そういうところがまた、ツイッターならではのゆるいコミュニケーションにつながってるのかなと思いますね。

第2章へ続く  次回更新は5/27になります。



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